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インプラントの寿命はどれくらい?長持ちさせるための秘訣とは?|さいたま市北区宮原の歯医者・歯科で審美インプラント治療|関口デンタルオフィス埼玉

インプラントの寿命はどれくらい?長持ちさせるための秘訣とは?

目次

 

1. インプラントの寿命はどれくらい?基本的な知識

インプラントの一般的な耐用年数(10~20年以上持つことも)

インプラントの寿命は、適切なケアと生活習慣によって大きく左右されます。一般的に、適切なメンテナンスを行うことで10〜20年以上の使用が可能ですが、場合によっては一生持つこともあります。インプラント体は主にチタン製であり、骨と強固に結合する性質(オッセオインテグレーション)を持っているため、高い耐久性を誇ります。

しかし、インプラントが長持ちするかどうかは、患者様の口腔内の環境やケアの質に大きく依存します。例えば、歯周病リスクの高い人や、喫煙を続ける方では、インプラントの定着が不十分になる可能性があります。また、メンテナンスを怠るとインプラント周囲炎を引き起こし、結果的にインプラントの寿命が短くなってしまいます。

 

天然歯との比較:インプラントの強みと弱点

インプラントは、天然歯に比べて多くの利点を持っていますが、いくつかの注意点もあります。

インプラントの強み

  • 虫歯にならない:人工歯であるため、虫歯になるリスクはゼロです。
  • 見た目が自然:審美的に優れ、天然歯と変わらない美しさを実現できます。
  • 咬む力が強い:入れ歯に比べ、天然歯と同等の咀嚼力を持ち、しっかりと噛むことができます。

インプラントの弱点

    • 歯根膜がない:天然歯には歯根膜というクッション機能があり、衝撃を吸収しますが、インプラントにはこの機能がないため、噛み合わせの調整が重要になります。
    • インプラント周囲炎のリスク:インプラントは虫歯にはならないものの、適切なメンテナンスを怠ると歯周病のようなインプラント周囲炎が発生しやすくなります。
    • 療期間が長い:通常の歯科治療に比べ、インプラントは治療期間が数ヶ月以上かかる場合があります。

 

2. インプラントの寿命を左右する3つの要因

① 口腔ケアの質:毎日のブラッシングとプロケアの重要性

インプラントの寿命を左右する最大の要因の一つが、日々の口腔ケアの質です。天然歯と同様に、インプラントの周囲にもプラーク(歯垢)が付着し、適切にケアをしないと細菌が繁殖しやすくなります。これが進行すると「インプラント周囲炎」を引き起こし、最悪の場合、インプラントが脱落するリスクがあります。

インプラントのセルフケアには、以下のポイントが重要です。

      • インプラント専用の歯ブラシを使用する: 柔らかめの毛先を選び、優しく磨くことでインプラントを傷つけずに清掃できます。
      • フロスや歯間ブラシを活用する: 歯間部やインプラント周囲の汚れは通常の歯ブラシだけでは落としにくいため、デンタルフロスや歯間ブラシを使用して清潔を保つことが重要です。
      • 洗口液の活用: 抗菌作用のある洗口液を併用すると、細菌の繁殖を抑えられます。

さらに、セルフケアに加えて歯科医院でのプロフェッショナルケア(PMTC)を定期的に受けることで、より確実にインプラント周囲の健康を維持できます。

 

② 生活習慣:喫煙・食生活・歯ぎしりの影響

インプラントの寿命を左右するもう一つの大きな要因が、日常の生活習慣です。特に、喫煙・食生活・歯ぎしりはインプラントの健康に悪影響を与える可能性があります。

      • 喫煙: タバコに含まれるニコチンは血管を収縮させ、歯茎の血流を悪化させます。これにより、インプラント周囲の組織が健康に維持されにくくなり、インプラント周囲炎のリスクが高まります。また、喫煙者は非喫煙者に比べ、インプラントの生存率が低いことが研究で示されています。
      • 食生活: カルシウムやビタミンDが不足すると、インプラントが埋入された骨の健康が損なわれ、長期間安定しにくくなります。バランスの取れた食事を心がけ、特に骨の強化に役立つ栄養素を積極的に摂取することが重要です。
      • 歯ぎしり・食いしばり: 無意識のうちに強い力で噛み締めることは、インプラントに過度な負担をかけ、寿命を縮める原因になります。ナイトガード(マウスピース)を使用することで、インプラントへの負担を軽減できます。

 

③ 定期メンテナンス:歯科医院でのクリーニングが鍵

インプラントを長持ちさせるためには、定期的な歯科医院でのメンテナンスが不可欠です。セルフケアだけでは取り切れないプラークや歯石をプロの手で除去し、インプラント周囲の健康を守る必要があります。

定期検診の主な内容

      • インプラント周囲の健康チェック: 歯科医師が歯茎の状態を確認し、異常がないかチェックします。
      • 噛み合わせの調整: 長年の使用によって噛み合わせが変化すると、インプラントに過度な負担がかかるため、必要に応じて微調整を行います。
      • PMTC(プロフェッショナルクリーニング): 特殊な器具を使用し、バイオフィルムや歯石を徹底的に除去することで、インプラント周囲炎のリスクを抑えます。

どのくらいの頻度で受けるべきか?

一般的には3〜6ヶ月に1回のメンテナンスが推奨されています。特に、インプラントを埋入した直後の1年間は、頻繁にチェックを受けることでトラブルを未然に防ぐことができます。

 

このように、口腔ケアの質、生活習慣、そして歯科医院での定期メンテナンスの3つが、インプラントの寿命を大きく左右します。次の章では、特にインプラントの寿命が短くなってしまう原因について詳しく解説します。

 

3. インプラントの寿命が短くなる原因とは?

インプラント周囲炎とは?進行するとインプラントが抜けるリスクも

インプラントの寿命を縮める最大の要因の一つが、インプラント周囲炎です。これは、天然歯における歯周病と似た症状を持つ疾患で、インプラント周囲の歯肉や骨が炎症を起こし、進行すると骨が吸収されてインプラントがぐらつき、最悪の場合は脱落することもあります。

インプラント周囲炎の原因として最も多いのは、プラーク(歯垢)の蓄積です。毎日のセルフケアが不十分だと、インプラント周囲に細菌が増殖し、炎症が起こります。特に、インプラントは天然歯とは異なり、歯根膜がないため、炎症が進行すると歯を支える骨への影響が大きくなりやすいのが特徴です。

インプラント周囲炎の主なリスク要因

      • 不十分なブラッシングやフロスの使用: インプラント周囲の清掃が不十分だと細菌が増殖しやすくなります。
      • 喫煙: 喫煙者は非喫煙者に比べてインプラント周囲炎のリスクが高まります。
      • 定期検診の未受診: 歯科医院でのメンテナンスを怠ると、初期段階での異常を見逃し、進行が早まる可能性があります。
      • 糖尿病などの持病: 全身疾患がある場合、インプラント周囲の組織の回復が遅れることがあります。

 

歯垢・歯石が溜まると細菌が増殖しやすくなる

インプラントの寿命を短くするもう一つの大きな原因は、歯垢(プラーク)や歯石の蓄積です。歯垢は細菌の塊であり、放置すると硬化して歯石になり、セルフケアだけでは取り除けなくなります。歯石の表面には無数の細菌が存在し、これが炎症の引き金となるのです。

インプラントの周囲は天然歯に比べて歯石がつきやすく、特に以下のような部位に注意が必要です。

      • インプラントと歯肉の境目: 細菌が入り込みやすい部分。
      • インプラントの根元(アバットメント周囲): プラークが付着しやすく、磨き残しが起こりやすい箇所。
      • 奥歯のインプラント: 磨きにくいため、歯石が蓄積しやすい。

定期的なプロフェッショナルクリーニング(PMTC)を受けることで、これらのリスクを低減できます。専門の器具を用いて歯石を除去し、バイオフィルムを取り除くことで、インプラント周囲炎を未然に防ぐことが可能です。

 

「インプラントだから安心」は危険!天然歯以上にメンテナンスが必要

「インプラントは人工物だから虫歯にならないし、そこまで気を使わなくても大丈夫」と思っている方は少なくありません。しかし、これは大きな誤解です。インプラントは虫歯にはならないものの、歯周病(インプラント周囲炎)にはかかりやすいという特徴があります。

その理由として、天然歯には歯根膜という組織があり、細菌の侵入を防ぐバリアの役割を果たしています。しかし、インプラントにはこのバリアがないため、細菌感染が起こると進行が早く、炎症が深部まで達しやすいのです。

 

インプラントの寿命を短くしないために必要な習慣

毎日のセルフケアを徹底する

      • インプラント専用の歯ブラシを使用する。
      • フロスや歯間ブラシを活用し、磨き残しを防ぐ。
      • 抗菌作用のある洗口液を取り入れる。

定期的なプロフェッショナルケアを受ける

      • 3〜6ヶ月に1回の歯科検診で歯石を除去する。
      • バイオフィルムの形成を防ぐためにPMTCを活用する。
      • 噛み合わせのチェックを行い、インプラントへの負担を最小限に抑える。

生活習慣の見直しを行う

      • 禁煙を心がけ、インプラント周囲の血流を改善する。
      • バランスの取れた食事で、歯茎や骨の健康を維持する。
      • ストレスを軽減し、歯ぎしりや食いしばりを防ぐ。

 

このように、インプラントは適切なケアを怠ると、その寿命が大幅に短くなってしまう可能性があります。次の章では、自宅でできる具体的なインプラントの長持ちセルフケアについて詳しく解説します。

 

4. 自宅でできるインプラント長持ちセルフケア

インプラント専用の歯ブラシ・フロスの使い方

インプラントを長持ちさせるためには、適切なセルフケアが欠かせません。特に、ブラッシングの方法や道具の選び方が重要になります。インプラントには、専用の柔らかめの歯ブラシを使用し、歯肉を傷つけないように優しく磨くことが推奨されます。また、通常のフロスではインプラント周囲を傷つける可能性があるため、スーパーフロスやインプラント専用フロスを使用することで、歯間の汚れをしっかり取り除くことができます。

歯間ブラシの使用も効果的ですが、サイズが合っていないと歯茎を傷つけてしまうことがあるため、歯科医院で適切なサイズを確認してもらうとよいでしょう。インプラントの隙間には細菌が溜まりやすいため、フロスや歯間ブラシを併用することで、より清潔な状態を保つことができます。

 

市販の洗口液だけでは不十分?歯科専用アイテムの活用

市販の洗口液を使っている方も多いですが、それだけではインプラントの健康を完全に維持することは難しいです。洗口液は口腔内の細菌を抑制する効果がありますが、プラークやバイオフィルムを物理的に除去することはできません。そのため、ブラッシングと併用することが前提となります。

また、市販の洗口液の中にはアルコールが含まれているものもあり、口腔内を乾燥させる原因となることがあります。口腔内が乾燥すると細菌の繁殖が活発になるため、ノンアルコールタイプの洗口液を選ぶことをおすすめします。歯科専用の抗菌ジェルや、インプラント専用の洗口液を使用することで、より効果的なセルフケアが可能となります。

 

食生活で変わるインプラントの健康—カルシウムやビタミンの摂取が重要

食生活もインプラントの健康に大きく関わります。特に、カルシウムやビタミンDをしっかり摂取することで、インプラントを支える骨の健康を維持することができます。カルシウムは乳製品や魚、ナッツ類に多く含まれており、ビタミンDは日光を浴びることでも生成されます。

また、抗酸化作用のある食品(緑黄色野菜、果物)を積極的に摂ることで、歯茎の炎症を防ぐ効果が期待できます。逆に、砂糖が多く含まれる食品や、酸性の強い飲み物は、インプラント周囲の細菌を増やしやすいため、控えめにすることが望ましいです。

 

5. 自費クリーニング(PMTC)がインプラント寿命を延ばす理由

歯科医院でのクリーニング(PMTC)とは?プロが行う徹底的な汚れ除去

PMTC(プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング)とは、歯科医院で行う専門的なクリーニングのことです。セルフケアだけでは除去できないバイオフィルム(細菌の膜)や歯石を徹底的に取り除くことができ、インプラントの寿命を大幅に延ばす効果があります。

PMTCでは、専用の機器を使用して、歯面やインプラント周囲を優しくクリーニングします。また、フッ素や抗菌ジェルを塗布することで、再び汚れが付着しにくくなります。特に、インプラントは天然歯と違い、バリア機能がないため、PMTCを定期的に受けることで炎症リスクを最小限に抑えることが可能になります。

 

インプラント周囲の歯石はセルフケアでは落とせない!

インプラント周囲に付着する歯石は、セルフケアでは完全に除去することができません。特に、インプラントと歯肉の境目には細菌が溜まりやすく、これが進行するとインプラント周囲炎の原因となります。歯科医院でのPMTCでは、超音波スケーラーや特殊な器具を用いて、インプラントに負担をかけずに歯石を除去します。

また、バイオフィルムは時間とともに硬化し、通常のブラッシングでは落とせなくなります。そのため、3〜6ヶ月に一度はPMTCを受けることが推奨されます。歯石やバイオフィルムを放置すると、インプラント周囲炎が進行し、最終的にはインプラントが抜け落ちてしまうこともあります。

 

PMTCを受けることでインプラント周囲炎の予防につながる

PMTCを定期的に受けることで、インプラント周囲炎の発症リスクを大幅に下げることができます。特に、炎症の初期段階で発見し、適切な処置を行うことができるため、インプラントの長期安定性を保つことが可能になります。

また、PMTCは単なるクリーニングではなく、歯科医師や歯科衛生士が口腔内の健康状態をチェックする機会にもなります。小さな異変を早期に発見できるため、インプラントだけでなく、全体的な口腔の健康維持にも役立ちます。

 

このように、自宅でのセルフケアだけでは限界があるため、専門的なクリーニング(PMTC)を定期的に受けることが、インプラントの寿命を延ばすための重要な要素となります。次の章では、PMTCの適切な頻度について詳しく解説します。

 

6. PMTCを受ける理想的な頻度とは?

一般的には3~6ヶ月に1回が推奨される理由

インプラントを長持ちさせるためには、定期的なプロフェッショナルクリーニング(PMTC)が不可欠です。一般的に、3~6ヶ月に1回の頻度で受診することが推奨されています。これは、インプラント周囲に蓄積するプラークや歯石を定期的に除去し、インプラント周囲炎のリスクを最小限に抑えるためです。

インプラントは天然歯とは異なり、歯根膜がないため、細菌感染が進行しやすい特徴があります。そのため、定期的にクリーニングを受けることで、炎症を予防し、インプラントの寿命を延ばすことができます。また、PMTCの際には歯科医師や歯科衛生士がインプラントの状態をチェックするため、トラブルを早期に発見することが可能です。

 

口腔内の状態によって異なる最適な受診スケジュール

PMTCの受診頻度は一律ではなく、患者様の口腔内の状態によって異なります。例えば、

      • インプラントを埋入して間もない方: 3ヶ月ごとに受診し、安定するまで定期的な管理が必要。
      • 歯周病のリスクが高い方: 3ヶ月ごとの受診が推奨され、より徹底したクリーニングが必要。
      • 健康な口腔環境を維持している方: 6ヶ月ごとの受診でも問題ないが、油断は禁物。

特に、喫煙者や糖尿病の方はインプラント周囲炎のリスクが高いため、3ヶ月ごとの受診が推奨されます。定期的なクリーニングを怠ると、インプラントがぐらつく原因にもなるため、歯科医と相談しながら適切なスケジュールを立てることが重要です。

 

「症状が出てから」では遅い!定期メンテナンスの重要性

インプラントは自覚症状が少ないため、「違和感がないから大丈夫」と思ってしまいがちです。しかし、症状が出てからの受診では、すでにトラブルが進行している可能性があります。特に、インプラント周囲炎は初期段階では痛みがほとんどなく、気付かないうちに進行してしまうため、定期的なメンテナンスが重要になります。

定期的なPMTCを受けることで、

      • インプラントのトラブルを未然に防げる
      • インプラント周囲炎を予防できる
      • 口腔内全体の健康を維持できる

このように、PMTCの適切な頻度を守ることで、インプラントの長期維持が可能になります。次の章では、インプラント周囲炎を防ぐための専門クリーニングについて詳しく解説します。

 

7. インプラント周囲炎を予防するための専門クリーニング

プロフェッショナルな器具でバイオフィルムを除去(超音波スケーラー・エアフロー)

インプラント周囲炎の予防には、プロフェッショナルなクリーニングが不可欠です。インプラントの表面には時間とともにバイオフィルム(細菌の膜)が形成され、これは通常のブラッシングでは完全に除去することができません。そこで、超音波スケーラーやエアフローを用いた専門的なクリーニングが必要になります。

      • 超音波スケーラー: 超音波振動を利用して、歯石やバイオフィルムを効率的に除去。
      • エアフロー: 微細なパウダーを噴射し、インプラント表面の汚れや着色を優しく除去。

このようなプロの技術を活用することで、インプラント周囲の細菌を取り除き、長期的に健康を維持することができます。

 

インプラント専用のケアが必要な理由—通常の歯石取りでは不十分

インプラントと天然歯では、メンテナンス方法が異なります。通常の歯石取りでは、インプラントに付着した細菌を完全に除去することが難しく、むしろ傷をつける可能性があります。そのため、インプラント専用のクリーニング方法が求められます。

また、インプラントは金属製であり、金属の表面に傷がつくと細菌が付着しやすくなるため、専用の器具を使用して慎重にクリーニングを行う必要があります。これにより、インプラントの寿命を大幅に延ばすことが可能になります。

 

「痛みがないから大丈夫」は危険!見えない部分のケアが鍵

インプラント周囲炎の怖い点は、初期段階ではほとんど自覚症状がないことです。痛みが出た時にはすでに炎症が進行しているケースが多く、放置するとインプラントの脱落につながる恐れもあります。そのため、

      • 目に見えない部分までクリーニングを徹底する
      • 定期的なチェックで早期発見・早期対応を行う

ことが非常に重要です。

専門クリーニングでは、

      • 歯茎の状態の確認
      • バイオフィルムの除去
      • インプラントの安定性のチェック

を行い、インプラントを長持ちさせるための最適なケアを提供します。

 

8. PMTCでインプラントを長持ちさせる!専門クリーニングの重要性

PMTCを受けることで得られる3つのメリット

PMTCは、通常のクリーニングとは異なり、インプラント周囲の歯石やバイオフィルムを徹底的に除去し、細菌の増殖を抑えることができる専門的な処置です。定期的にPMTCを受けることで、次のようなメリットがあります。

        • インプラント周囲炎を防ぎ、長期的に安定した状態を維持できる
          インプラントは、天然歯とは異なり、歯根膜が存在しないため、細菌感染が進行しやすいという特徴があります。そのため、インプラント周囲炎を予防するためには、セルフケアに加えてPMTCを受け、インプラント周囲の歯肉や骨の健康を守ることが重要です。
        • セルフケアでは落としきれない汚れを徹底除去
          インプラントの周囲には、通常の歯ブラシやフロスでは落としきれないバイオフィルムが蓄積することがあります。これを放置すると、インプラント周囲の組織に炎症が起こり、インプラントがぐらつく原因になる可能性があります。PMTCでは、専用の機器を使用して歯石やバイオフィルムを徹底的に除去するため、より清潔な状態を保つことができます。
        • 噛み合わせの微調整やインプラントの状態を確認できる
          長期間インプラントを使用していると、噛み合わせに微細な変化が生じ、インプラントに過度な負担がかかることがあります。PMTCを受ける際に、歯科医師が噛み合わせの状態をチェックし、必要に応じて調整を行うことで、インプラントの寿命を延ばすことが可能です。

 

PMTCの具体的な施術内容とは?

PMTCは、通常のスケーリングとは異なり、インプラントに特化した清掃方法が採用されます。PMTCの主な施術内容は以下の通りです。

      • 超音波スケーラーを使用した歯石除去
        インプラント周囲の歯石を取り除くために、専用の超音波スケーラーを使用します。インプラントを傷つけないように設計された器具を用いるため、安心して施術を受けることができます。
      • エアフローを用いたバイオフィルム除去
        エアフローとは、微細なパウダーを水と一緒に噴射し、インプラント表面のバイオフィルムや着色汚れを優しく取り除く施術です。従来のクリーニング方法に比べて、インプラントに負担をかけずにクリーニングを行うことができるというメリットがあります。
      • フッ素塗布や抗菌ジェルの塗布
        PMTC後には、歯肉やインプラントの健康を維持するために、フッ素や抗菌ジェルを塗布します。これにより、細菌の再付着を防ぎ、インプラント周囲炎のリスクを軽減することができます。

 

インプラントを長持ちさせるためにPMTCを習慣化しよう

PMTCは、1回受けるだけではなく、定期的に受けることでその効果を最大限に発揮します。一般的に、3〜6ヶ月に1回の頻度でPMTCを受けることが推奨されており、インプラントの状態に応じて受診間隔を調整することが大切です。

また、PMTCを定期的に受けることで、以下のようなメリットが得られます。

        • 早期発見・早期治療が可能になる
          インプラント周囲炎は、初期の段階では自覚症状が少ないため、気づかないうちに進行してしまうことがあります。しかし、PMTCの際に歯科医師や歯科衛生士がチェックを行うことで、異変を早期に発見し、必要な治療を行うことができます。
        • インプラントの寿命を延ばすことができる
          適切なメンテナンスを行うことで、インプラントの寿命は大きく変わります。PMTCを受けることで、インプラントを長期間安定した状態で維持することが可能となり、将来的なトラブルを未然に防ぐことができます。
        • 快適な噛み心地を維持できる
          インプラントを埋入した直後はしっかりと噛める状態でも、時間が経つにつれて噛み合わせが変化し、違和感を感じることがあります。PMTCを受けることで、噛み合わせの調整を行い、快適な咀嚼を維持することができます。

 

9. PMTCと定期検診をセットで受けるメリット

インプラントの状態をチェックしながらクリーニング

インプラントは天然歯とは異なり、神経がないため違和感を感じにくく、トラブルが進行していても気づきにくいという特徴があります。そのため、PMTCを受ける際に、歯科医師や歯科衛生士がインプラントの状態を定期的にチェックすることが重要です。

  • インプラント周囲炎の兆候を早期発見
    インプラント周囲炎は初期段階では痛みがないため、セルフケアだけでは気づかないうちに進行してしまうことがあります。PMTCと定期検診を組み合わせることで、インプラント周囲の歯肉や骨の状態を定期的に確認し、炎症の兆候を早期に発見することが可能です。
  • 噛み合わせの変化を確認
    長期間インプラントを使用していると、噛み合わせに微細な変化が生じ、インプラントに過度な負担がかかることがあります。定期検診の際に噛み合わせのチェックを行い、必要に応じて調整することで、インプラントの寿命を延ばすことができます。
  • 人工歯の摩耗や劣化をチェック
    インプラントの被せ物(クラウン)は耐久性の高い素材で作られていますが、長年の使用により摩耗することがあります。これを定期的に確認し、必要があれば調整や交換を行うことで、インプラントの機能を長く維持できます。

 

噛み合わせの微調整で負担を軽減

インプラントは天然歯とは異なり、歯根膜がないため、噛み合わせの変化に敏感ではありません。そのため、噛み合わせがずれていても痛みを感じにくく、無意識のうちにインプラントに過度な負担がかかることがあります。

  • 隣接する歯の動きによる影響を確認
    天然歯はわずかに動くことがあり、時間とともに噛み合わせが変化することがあります。その影響で、インプラントに負担が集中し、クラウンの破損やインプラントの脱落リスクが高まることがあります。定期検診では、これらの変化を早期に発見し、必要に応じて微調整を行うことが可能です。
  • 歯ぎしりや食いしばりによる影響を確認
    歯ぎしりや食いしばりが強い人は、無意識のうちにインプラントへ過度な負担をかけている可能性があります。そのため、ナイトガード(マウスピース)の使用が推奨されることがあります。定期検診の際に歯ぎしりの兆候をチェックし、適切な対策を提案してもらうことができます。
  • 噛み合わせの調整で長持ちさせる
    噛み合わせが適切でない場合、インプラントに偏った力がかかり、歯槽骨の吸収やインプラントのぐらつきを引き起こす可能性があります。定期的に噛み合わせを調整することで、インプラントの負担を軽減し、より長く安定して使用することができます。

 

歯ぐきの健康チェック—早期治療でインプラントの寿命を延ばす

インプラントの寿命を左右する重要な要素のひとつが、歯ぐきの健康状態を維持することです。インプラント周囲の歯ぐきが健康でなければ、インプラントの安定性が損なわれる可能性があります。

  • 歯周ポケットの測定
    歯科医院では、定期検診の際にインプラント周囲の歯周ポケットの深さを測定し、炎症の有無を確認します。健康な歯ぐきであれば1〜2mmの浅いポケットですが、歯周炎が進行するとポケットが深くなり、細菌が繁殖しやすくなります。
  • インプラント周囲炎の予防と治療
    インプラント周囲炎は、初期段階で適切に対処すれば進行を抑えることができます。PMTCでは、歯ぐきの健康を維持するために、バイオフィルムの除去や抗菌ジェルの塗布を行い、炎症を防ぐ処置が施されます。
  • 歯槽骨の状態を確認
    インプラントが長持ちするためには、インプラントを支える骨の健康が重要です。定期検診では、レントゲン検査を行い、歯槽骨の状態を確認することもあります。骨の吸収が進んでいる場合は、早期に対応することで、インプラントの脱落を防ぐことができます。

 

10. PMTCを取り入れてみませんか?

インプラントを健康に保つためには、定期的なケアが大切

インプラントは、適切なケアを続けることで長く快適に使い続けることができます。天然歯とは異なり、虫歯にはなりませんが、インプラント周囲炎のリスクがあるため、日々のセルフケアと歯科医院でのメンテナンスが重要です。

日常のブラッシングやフロスはもちろん大切ですが、それだけでは落としきれない汚れが蓄積することもあります。そんなときに役立つのが、PMTC(プロフェッショナルクリーニング)です。定期的にPMTCを受けることで、インプラント周囲を清潔に保ち、長く安心して使うことができます。

 

PMTCを取り入れることで、より快適なインプラントライフを

PMTCは、インプラントの寿命を延ばすだけでなく、口の中を清潔にし、気持ちのよい状態を維持するためにも役立ちます。

「PMTCを受けた後は歯がツルツルして気持ちいい!」

という患者様の声も多く、クリーニング後の爽快感を実感される方がたくさんいらっしゃいます。また、定期的にクリーニングを受けることで、インプラント周囲炎のリスクを減らし、早期の問題発見にもつながります。

「インプラントは埋めたら終わり」ではなく、「長く快適に使い続けるために、しっかりケアしていく」という意識を持つことが大切です。PMTCはそのための心強いサポートとなります。

 

まずは定期検診の際に、PMTCについて相談してみませんか?

PMTCを受ける頻度やタイミングは、お口の状態によって異なります。「自分の場合はどのくらいの頻度で受けたらいいの?」と疑問に思う方も多いかもしれません。そんなときは、定期検診の際に歯科医師や歯科衛生士に相談してみるのがおすすめです。

一人ひとりのお口の状態に合ったメンテナンスプランを提案し、インプラントをより長く健康に保つためのサポートをさせていただきます。まずはお気軽にご相談ください。インプラントを快適に使い続けるために、一緒に最適なケアを考えていきましょう。

 

 

 

監修:関口デンタルオフィス

住所:埼玉県さいたま市北区宮原町4-134-24

電話番号:048-652-1182

*監修者

関口デンタルオフィス

院長 関口 亮

経歴

・2008年 日本大学歯学部卒業
日本大学歯学部臨床研修部入局

・2009年 日本大学歯学部補綴学第一講座入局
専修医
顎関節症科兼任

・2014年 同医局退局
関口デンタルオフィス開院

所属学会

日本補綴歯科学会

日本口腔インプラント学会

*スタディークラブ

JSCT(Jiads Study Club Tokyo)

CIDアクティブメンバー(Center of Implant Dentistry)

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