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ホワイトニングとセラミック、順番はどっちが先?後悔しないための鉄則を歯科医が解説|さいたま市北区宮原の歯医者・歯科で審美インプラント治療|関口デンタルオフィス埼玉

ホワイトニングとセラミック、順番はどっちが先?後悔しないための鉄則を歯科医が解説

目次

 

1. 見た目だけじゃない!審美歯科の正しい知識から始めよう

「白くてキレイな歯」を求める人が増えている理由

ここ数年で「歯の美しさ」に対する意識は飛躍的に高まりました。SNSでの写真投稿、オンライン会議や動画配信など、日常の中で自分の口元が人目に触れる機会が増えたことが大きな要因です。清潔感や健康的な印象を与える「白く整った歯」は、ビジネスやプライベートにおける信頼感にもつながるとされ、男女問わず関心が高まっています。加えて、メイクやヘアスタイルと同じように“セルフプロデュース”の一環として、歯のケアや審美治療を取り入れる方も増加中です。美しい口元は単に見た目を整えるだけでなく、笑顔に自信を持てるようになるという心理的なメリットも見逃せません。

 

セラミックとホワイトニング、目的が異なる2つの治療

一口に「白くしたい」といっても、そのアプローチには違いがあります。ホワイトニングは、天然歯の内部にある着色成分を専用の薬剤で分解・漂白し、本来の明るさを引き出す方法です。歯を削らず、比較的短期間で自然な白さを実現できる点が魅力です。一方で、セラミック治療は歯の形や色、損傷などを補う補綴処置です。被せ物や詰め物として使用されるセラミックは、透明感と強度に優れ、自然な仕上がりが可能ですが、治療の際には歯を削る必要があり、対象となるのはむし歯や変色など具体的なトラブルを抱える歯に限られます。このように、両者は見た目を美しくするという共通点はあるものの、目的や方法は大きく異なるため、混同しないことが重要です。

 

間違った順番がもたらす「仕上がりのズレ」とは

ホワイトニングとセラミック治療の順番を間違えると、理想とする見た目にならない可能性が高まります。たとえば、セラミックの色を天然歯に合わせて作製した後にホワイトニングを行ってしまうと、天然歯だけが白くなり、セラミック部分が取り残されたように見えてしまうのです。セラミックはホワイトニングの薬剤が作用しないため、後から明るさを調整することはできません。こうした「色の不一致」は、見た目の違和感を生み、再治療や再装着といった余計なコストや時間のロスにつながります。そのため、審美治療のスタート時には「最終的にどう見せたいのか」を明確にし、計画的にホワイトニング→セラミックの順で進めることが基本原則とされています。

 

2. ホワイトニングの基本|天然歯の“白さ”を引き出す治療

表面ではなく内部から明るくするホワイトニングの仕組み

ホワイトニングは、単に歯の表面を削ったり磨いたりするのではなく、歯の内部にある「象牙質」の色調を改善する医療的な処置です。専用の薬剤(主に過酸化水素や過酸化尿素)を使用して、歯の内部に入り込んだ色素分子を化学的に分解し、透明感のある自然な白さを引き出すのが特徴です。市販のホワイトニング製品とは異なり、歯科医院で行うプロフェッショナルホワイトニングは、濃度や手技、安全性が管理されているため、より高い効果と持続性が期待できます。歯の本来の構造を傷つけず、自然な白さに導くことができることから、見た目にこだわる方にとって信頼できる方法の一つといえるでしょう。

 

効果が出るまでの期間と色戻りの可能性

ホワイトニングの効果は、治療方法や歯の状態によって異なります。一般的に「オフィスホワイトニング」は1回の施術でも効果が期待できますが、理想の白さに近づけるには複数回の通院が必要なこともあります。一方で「ホームホワイトニング」は、歯科医院で作成したマウストレーに専用薬剤を注入し、自宅で一定期間使用する方法で、時間はかかるものの色の定着が良く、持続性に優れているとされます。ただし、ホワイトニングは永久的なものではなく、食生活や加齢、喫煙などの影響で徐々に色が戻る「リバウンド現象」が起こる可能性があります。そのため、定期的なケアや再ホワイトニングを視野に入れた治療計画が重要となります。

 

健康な歯が対象になる、ホワイトニングの適応範囲

ホワイトニングは、すべての歯に施術できるわけではありません。基本的に「神経が生きている健康な天然歯」が対象となり、神経を失った歯(失活歯)や虫歯、詰め物・被せ物がある部分には効果がありません。特に、前歯に人工物が入っている方はその部分だけ白くならないため、ホワイトニング後にセラミックなどで色を合わせる必要が出てきます。また、妊娠中や授乳中の方、重度の知覚過敏症がある方など、一部の患者様には施術を控える場合もあります。そのため、ホワイトニングを希望される際には、まずお口の中をしっかり診査し、虫歯や歯周病の有無、歯質の状態などを確認することが大前提です。適切な診断と説明を受けたうえで、自分に合った方法を選ぶことが、後悔のない審美治療につながります。

 

セラミック治療の基本|詰め物・被せ物で整える審美補綴

・歯の形・色・機能を補うセラミックの特徴

セラミック治療とは、欠けた歯や形の不揃いな歯、変色した歯などに対して、詰め物(インレー)や被せ物(クラウン)などを用いて、形態・色調・機能の回復を図る補綴治療です。使用されるセラミック素材は、天然歯に近い透明感と色調を再現できるうえ、生体親和性が高く、金属アレルギーの心配もありません。特に前歯など見た目が重視される部位では、自然な白さや光沢を演出できるセラミックは優れた選択肢となります。また、咬合力にも耐える強度を持つため、奥歯への使用も可能です。審美性と機能性を兼ね備えた治療であり、患者様の笑顔に自信を取り戻すことができます。

 

・自然な仕上がりを実現する素材の選び方

一口にセラミックといっても、使用される素材にはさまざまな種類があります。代表的なものとして、ジルコニアセラミック、オールセラミック、メタルボンドセラミックなどが挙げられます。ジルコニアは高い強度と審美性を持ち、特に奥歯のクラウンに適しています。オールセラミックは金属を一切使用しないため、光の透過性が高く、前歯のような審美領域に最適です。メタルボンドは金属フレームの上にセラミックを焼き付けたもので、耐久性はありますが、歯ぐきが下がった際に金属の縁が露出するデメリットもあります。患者様のお口の状態や治療部位、審美的な希望によって最適な素材は異なるため、歯科医との相談を通じて納得のいく選択をすることが重要です。

 

・変色しないが「調和させる色選び」が必要な理由

セラミックの最大の魅力の一つは「変色しにくい」という点です。コーヒーやワイン、喫煙といった着色の原因にも強く、長期間にわたり美しい白さを維持できます。しかし、だからこそ治療前の色選びが非常に重要になります。天然歯は加齢や食生活によって少しずつ変色しますが、セラミックは色が固定されているため、周囲の歯との調和が取れていないと「浮いたような不自然な印象」になってしまうリスクがあります。特に、セラミックを先に入れたあとにホワイトニングを行うと、セラミックだけ色が変わらず、統一感が損なわれてしまいます。そのため、治療の順序や色調の設計は非常に繊細な作業であり、経験豊富な歯科医による丁寧なシェードテイキング(色合わせ)が治療結果の満足度を大きく左右します。

 

順番が重要!なぜホワイトニングを先にすべきなのか

・天然歯の白さに合わせてセラミックの色を調整できる

ホワイトニングとセラミック治療を両方検討している方にとって、最初に悩むのが「どちらを先に行うべきか」という点です。結論から言えば、ホワイトニングを先に行うのが正しい順序です。その理由のひとつが「セラミックの色調整は天然歯の白さに合わせて行う必要がある」からです。ホワイトニングによって歯の色が明るくなると、その色に合わせて詰め物や被せ物のセラミックの色を最適に設計することができます。反対に、先にセラミックを装着してしまうと、その後ホワイトニングをしても人工歯は白くならないため、周囲の歯と色のバランスが崩れてしまいます。自然で美しい仕上がりを求めるなら、まずはホワイトニングで全体のトーンを整えてからセラミック治療を行うのがベストな流れです。

 

・後からホワイトニングしてもセラミックは白くならない

セラミックの素材は、天然歯のように色素沈着によって変色することはほとんどありませんが、その反面、ホワイトニングによって明るさを調整することもできません。ホワイトニングは歯の内部にある色素を分解する治療であるため、あくまでも「天然歯」にしか効果がありません。セラミックを先に入れてからホワイトニングを行った場合、セラミックはそのままで天然歯だけが白くなるため、結果として色のちぐはぐ感が生まれ、見た目の不自然さにつながってしまいます。これを修正するには、せっかく入れたセラミックを一度外して作り直すという工程が必要になり、費用も時間も余計にかかってしまいます。将来的な満足度を高めるためにも、天然歯の白さをあらかじめ決めておくことが、セラミックの美しさを最大限に活かすポイントなのです。

 

・色の統一感があることで「不自然さ」を回避

審美歯科において、最も大切なのは「自然な仕上がり」です。人の歯は、前歯・犬歯・小臼歯・大臼歯とそれぞれ微妙に色が異なり、それらのグラデーションが口元に調和をもたらしています。その中でセラミックだけが異なる色調で入ってしまうと、例えそれが「真っ白」であっても、かえって違和感のある仕上がりになってしまうことがあります。特に40代以降の方は、加齢とともに歯の色が黄味がかってくるため、ホワイトニングを行って全体の色味を整えた上でセラミックを選ぶことで、より若々しく清潔感のある印象を手に入れることが可能になります。逆に、順番を誤ってしまうと、部分的に白さが強調されてしまい「セラミックだけ浮いて見える」「被せ物だけ目立ってしまう」といった失敗につながる恐れがあります。最初にホワイトニングで理想の白さを引き出しておくことで、セラミックの色も自然に馴染み、全体的に統一感のある口元を実現できます。

 

セラミックを先にすると起こる“後悔”のポイント

・仕上がりのトーンがバラバラになるリスク

審美歯科治療では「色の統一感」が非常に重要です。セラミックは患者様ご自身の希望や歯科医師の判断により色を選定しますが、天然歯の色が変化する可能性があることを見落としてはいけません。もしホワイトニングを後から希望された場合、セラミックは色が変わらないため、白くなった天然歯との“色の差”が生まれてしまうのです。特に前歯などの目立つ部位にセラミックを使用した場合、その違和感は大きく、せっかくの美しい仕上がりが一気に損なわれることになりかねません。理想の白さを追求したい方にとって、「セラミックの色が少し黄ばんで見える」「周囲の歯のほうが白くなってしまった」という状況は、満足度を著しく下げる原因となるでしょう。これは事前の治療順序の選択だけで回避できる問題です。

 

・「もっと白くしたい」と後から思っても遅い理由

セラミックはその性質上、ホワイトニング剤の作用を受けません。一度装着してしまうと、その色調は変えられないため、患者様が「やっぱりもう少し白い歯にしたい」と思った時には、対応が非常に困難になります。つまり、「セラミックの色をもっと明るくしたい」と希望されても、方法は限られており、基本的には再製作しかありません。これは時間的にも金銭的にも大きなロスとなります。逆に、先にホワイトニングを済ませてからセラミックの色を決定すれば、ご自身が納得できるトーンに合わせて補綴物を作ることができ、治療後の「もっとこうすればよかった…」という後悔を未然に防ぐことが可能です。とくに口元の印象にこだわる方にとって、色に対する満足度は非常に大切な要素です。長期的に美しい歯を保つためにも、治療の順序は慎重に決めるべきです。

 

・再治療による費用・負担・時間のロス

誤った順序で治療を行った場合、後からセラミックの再製作が必要になるケースは少なくありません。セラミックのやり直しには、再度の型取り・技工所での再製作・調整・装着といった工程が必要となり、患者様にとっては通院回数の増加、治療期間の延長、そして追加費用という負担が発生します。見た目の不自然さを我慢して生活することも可能ではありますが、「気になる」と思い続けるストレスを抱えながら日常を送るのは精神的にも快適とは言えません。何より、本来は一度で済んだはずの治療に手間やコストをかけるのは大きなロスです。審美治療は見た目の美しさと同時に、満足感・安心感を得ることが目的でもあります。そのためにも、はじめからホワイトニング→セラミックという流れで治療計画を立てることが、無駄のない効率的な選択と言えるでしょう。

 

ケース別|どんな治療計画を立てるべきか?

・前歯の色味改善がメインの場合の治療順序

前歯はもっとも目立つ部位であり、笑顔や会話時に他人の目に触れる頻度が高い場所です。そのため、見た目の美しさに対して非常に高い審美的要求がある部位とも言えます。もし前歯の色調改善を目的に審美治療を検討しているのであれば、ホワイトニングを先に行うことが必須です。天然歯の白さを引き出したうえで、セラミックの色調や質感を合わせることにより、全体の統一感が確保され、不自然な印象を回避できます。ホワイトニング前の色に合わせてセラミックを作ってしまうと、後から「もっと白くすればよかった」と思っても、既に装着したセラミックは白くできないため、トーンのミスマッチが起こるリスクがあります。特に前歯は、1本の色が浮いて見えるだけで口元全体の印象に大きな影響を及ぼすため、順番の見極めが極めて重要です。

 

・虫歯や欠損の修復を伴う場合のセラミックのタイミング

虫歯治療や欠損補綴が含まれるケースでは、「機能回復」と「審美性」の両立が治療の目的になります。この場合も、最終的な見た目をどう仕上げたいかを事前に明確にしておくことが成功の鍵です。たとえば、奥歯のセラミック治療であればホワイトニングの影響は少ないため順番の柔軟性がありますが、前歯やその周囲であれば、やはりホワイトニング後にセラミックの色を決めるべきです。また、虫歯治療と同時にセラミックの仮歯を入れて様子を見ることも可能で、その間にホワイトニングを進めるという段階的なアプローチも有効です。補綴物の色は一度決めたら変えられないため、治療中に色調の目標を定め、ホワイトニングで到達する色味をもとにセラミックを製作することが理想的な流れとなります。

 

・部分的ホワイトニングと全体のバランスを取る工夫

中には「すべての歯を白くしたいわけではない」「気になる部分だけを改善したい」という患者様もいらっしゃいます。このようなケースでは、部分的なホワイトニングとセラミックの併用によって美しさとバランスの両方を取ることが可能です。ただし注意すべきは、「部分的なホワイトニングが全体と調和しているかどうか」です。例えば前歯2本のみをセラミックにして、隣接する天然歯はホワイトニングで整える場合、微妙な色調の違いが目立ちやすくなります。こうしたミスマッチを避けるには、全体の色調を先に整えてから個々の治療に入ることが推奨されます。また、奥歯など目立ちにくい部位はホワイトニングの対象にせず、前歯を中心にしたアプローチを行うことで、費用や治療時間の最適化も図れます。どの範囲をどう治療するかを歯科医と十分に相談することで、自分に合った治療計画を立てることができるのです。

 

クリニック選びで差が出る!総合的な治療提案の重要性

・審美と機能の両立を考えた診断力

ホワイトニングやセラミック治療は、単に見た目を美しくするための審美治療であると同時に、口腔内の機能を維持・向上させる補綴治療でもあります。たとえば、歯並びや噛み合わせ、咀嚼機能などの要素が無視されたまま、見た目だけを重視して治療を進めてしまうと、仕上がりの美しさに問題がなくても、「違和感がある」「しっかり噛めない」といった不満が生じる可能性があります。そのため、審美と機能をトータルに診断し、調和を図ったうえで治療計画を提案できる歯科医の存在が非常に重要になります。また、歯の色調だけでなく、歯列全体のバランスや骨格、唇との関係までを考慮して設計された治療こそが、長く満足できる結果を生み出します。見た目の美しさと健康の両立を実現するには、診断力の高さが何よりも求められるのです。

 

・事前のカウンセリングで得られる安心感

ホワイトニングとセラミック治療を検討している患者様の多くは、「どちらを先にやればいいのか」「自分の歯でもできるのか」「仕上がりはどんなふうになるのか」といった不安を抱えています。これらの疑問や不安を丁寧にカウンセリングしてくれるクリニックの存在は、治療の質を左右する大きなポイントとなります。特に審美治療は保険適用外であることが多く、費用も決して安くはありません。だからこそ、患者様の希望や生活スタイル、予算などを事前に丁寧にヒアリングしたうえで、最適な治療計画を提示してくれる医院は信頼に値します。説明が一方的であったり、すぐに治療を進めようとする医院では、後悔の残る結果になりかねません。事前の相談を通じて、治療内容や順序、費用、メリット・デメリットを理解することで、納得感を持って前向きに治療へ臨めるようになります。

 

・担当医との信頼関係が後悔しない治療につながる

ホワイトニングとセラミック治療のように、工程が複数にわたる審美治療では、患者様と担当医の信頼関係が非常に大きな意味を持ちます。治療途中で不安を感じたときにすぐ相談できるか、イメージ通りの仕上がりになるように細部まで意見交換ができるかどうかは、満足度に直結します。また、治療の途中で色調や形の微調整が必要になるケースも少なくありません。そんなとき、患者様の言葉に真摯に耳を傾け、医療的な視点と審美的な希望の両方を理解したうえで柔軟に対応できる歯科医であれば、最終的な仕上がりにも高い満足が得られるはずです。さらに、信頼関係が構築されていれば、治療後のアフターフォローやメンテナンスにも前向きに通うことができるため、長期的に美しさと健康を保ちやすくなります。

 

治療後も大切|白さと美しさを保つためのアフターケア

・ホワイトニング後の色持ちを保つ生活習慣とは

ホワイトニングで理想の白さを手に入れても、その状態を長く維持するためには生活習慣の見直しが欠かせません。特に注意が必要なのが「着色汚れ(ステイン)」の原因となる飲食物。コーヒー・紅茶・赤ワイン・カレー・チョコレートなど、色の濃いものを頻繁に摂取する習慣がある方は、ホワイトニング後の歯に再着色が起こるリスクが高くなります。ホワイトニング直後は歯の表面が一時的に脱水状態にあり、着色しやすい期間でもあるため、施術後24〜48時間はとくに飲食に注意が必要です。また、タバコに含まれるヤニも歯の黄ばみの原因となるため、禁煙や電子タバコへの切り替えを検討することも、美しさを長く保つための一手です。加えて、着色を防ぐうがいやこまめな歯磨き、口の中を乾燥させないための水分補給など、小さな習慣の積み重ねが白さのキープに直結します。

 

・セラミックの清掃とメンテナンスの重要性

セラミックの歯は「変色しない」というメリットがある一方で、メンテナンスを怠ると人工歯と歯茎の境目や隣接部に汚れが溜まり、歯周病や虫歯の原因になることがあります。とくに、歯と歯の間や、歯と被せ物の境目は汚れが残りやすいため、歯間ブラシやフロスを活用した丁寧な清掃が求められます。セラミックは汚れが付きにくい素材ではありますが、唾液中のタンパク質や細菌が付着してプラークになる可能性はゼロではありません。また、硬さが天然歯よりも優れている分、他の歯に微細な負担をかけることもあるため、噛み合わせのチェックや定期的な調整も大切です。さらに、使用している接着剤や補綴材の耐久性を保つためにも、定期的な検診とクリーニングによって、人工物だけでなく天然歯全体の健康を守るケアが欠かせません。

 

・定期検診で見た目も健康もキープ

白さと美しさを維持するうえで、歯科医院での定期的な検診・メンテナンスは欠かせない習慣です。ホワイトニングに関しては、効果が時間とともに薄れてくる「色戻り」の現象があり、個人差はあるものの半年〜1年ごとのメンテナンス施術を受けることで、常に明るい口元をキープすることができます。また、セラミック治療後は、天然歯との調和や歯肉の状態を定期的にチェックすることで、トラブルの早期発見と予防処置が可能となります。プロによるクリーニング(PMTC)は、家庭でのケアでは落としきれないバイオフィルムや微細な着色を除去し、歯のツヤと健康を同時に取り戻せる施術です。さらに、口腔内全体の状態を定期的に診てもらうことで、再治療のリスクを下げ、長期的に理想的な審美状態を維持することが可能になります。一度治療したら終わりではなく、「美しさを維持する通院習慣」をもつことが、本当の意味での審美治療成功の鍵といえるでしょう。

 

よくある誤解と正しい知識の整理

・「ホワイトニングで全部の歯が真っ白になる」は誤解

ホワイトニングと聞くと「どんな歯でも真っ白になる」と思われがちですが、実際にはホワイトニングの効果が出やすい歯と出にくい歯があります。たとえば、神経を失った歯や過去に重度の着色がある歯は、内部からの変色が強く、ホワイトニング剤が十分に浸透しないケースもあります。さらに、人工歯(詰め物・被せ物・セラミックなど)はホワイトニングの効果がまったく現れないため、施術対象はあくまで天然歯に限られる点を理解することが重要です。また、もともとの歯の色調(黄み・灰み)によっては、同じホワイトニング剤を使っても白さに差が出る場合があります。つまり、「全ての歯が真っ白に揃う」というイメージは、現実には難しいことも多く、希望する白さのレベルや持続期間を事前に歯科医と相談することが、満足度の高い結果につながるポイントです。

 

・セラミックは一度入れたら一生モノ?の落とし穴

セラミックの詰め物や被せ物は、天然歯と比べて変色しにくく、美しい見た目を長期間保てるのが特徴です。しかし、「一度入れたら一生使える」というのは誤解です。実際には、経年による接着剤の劣化、歯肉の後退による隙間の出現、噛み合わせの変化など、口腔環境の変化によって再調整や再製作が必要になることがあります。また、セラミックそのものは丈夫でも、支えている歯が虫歯になれば、結局やり直しが必要です。こうしたリスクを未然に防ぐには、セラミックを入れた後の定期検診とホームケアの徹底が不可欠です。美しさと耐久性を長く保つには、ただ高価な素材を使うだけでなく、「口の中全体を健やかに保つこと」に意識を向ける必要があるのです。

 

・ネット情報に惑わされないための知識の取り入れ方

審美歯科治療についてインターネットで情報を調べる人は多いですが、その情報の中には、誤解を招く表現や一方的な主張も少なくありません。例えば、「ホワイトニングだけで理想の白さになる」「どんな歯でもセラミックで完璧に治せる」など、実際の臨床では適応外となるような情報がSNSやブログで拡散されていることもあります。正確な判断をするためには、歯科医師の監修がある信頼性の高いメディアや、歯科医院の公式サイト、専門的な医療情報サイトなどから知識を得ることが重要です。加えて、情報を鵜呑みにするのではなく、自分の口の中の状態にその情報が当てはまるかどうか、必ずプロの診断を受けることが基本です。歯科医とのカウンセリングの場で、疑問に思ったことを遠慮せず質問する姿勢が、誤解による後悔を防ぐ最大の予防策となります。

 

理想の口元を手に入れるために、まず何から始める?

・自分の希望とお口の状態を照らし合わせる

「白くて整った歯並びにしたい」「口元に自信を持ちたい」といった審美的な希望は、誰しもが持ち得る自然な感情です。しかし、理想の実現には“自分の口の状態”を正確に知ることが第一歩となります。虫歯・歯周病の有無、歯並びの状態、被せ物の履歴など、口腔内の状況は一人ひとり異なります。ホワイトニングをするにしても、漂白が適応できる歯かどうかの判断が必要ですし、セラミック治療においても、歯の厚みや噛み合わせのバランスが大きく影響します。

つまり、「やりたい治療=できる治療」とは限らないのです。まずは、自分の希望をしっかり整理し、その上で専門家の診断を受けることが重要です。その際、見た目の改善だけでなく「機能性」や「将来の持続性」も視野に入れることで、満足度の高い治療計画が立てられます。

 

・初診時に聞くべき質問・確認すべきポイント

歯科医院の初診では、ただ検査を受けるだけでなく、「どのような情報を得るか」が治療の質を左右します。たとえば、

  • ・自分の歯の色調や構造に対して、ホワイトニングがどれほど有効か
  • ・セラミック治療を行う場合の費用や通院回数、想定されるダウンタイム
  • ・どの順番で治療を進めるのが最も自然で負担が少ないか

など、具体的な質問を事前にメモしておくと安心です。特に審美治療は自費診療であることが多いため、費用感やメリット・デメリットを納得するまで聞くことが後悔を防ぎます。

また、「相談だけ」で受診できる医院もあるため、「いきなり治療されそうで不安…」という方もまずは情報収集のつもりで足を運ぶとよいでしょう。治療の提案内容や説明のわかりやすさ、患者に寄り添った対応かどうかを確認することも、歯科医院選びの大事な指標です。

 

・未来の自分に自信が持てる「治療の順番」の選び方

ホワイトニングとセラミック治療の順番に関しては、「白さの基準をどこに置くか」がポイントです。基本的には先にホワイトニングを行い、後からセラミックをその白さに合わせるのが原則です。なぜなら、ホワイトニングでは天然歯の色を変えられても、セラミックの色は後から変えられないため、順番を間違えると色味のバラつきややり直しのリスクが高まります。

また、ホワイトニング後には色の安定を待つ「クーリング期間」が必要になる場合もあります。この工程を飛ばしてセラミックを作ってしまうと、時間の経過とともにトーン差が出てしまうことも。したがって、治療の順番は患者自身の希望に合わせつつ、医師と慎重に相談して決めるべきです。

最終的には、「白さ」や「美しさ」はゴールではなく、そこに至るプロセスをどう丁寧に踏むかが結果を左右するという意識を持ちましょう。自分の口元に自信を持てることは、見た目だけでなく、会話・笑顔・コミュニケーション全体にポジティブな影響を与えます。

 

 

 

監修:関口デンタルオフィス

住所:埼玉県さいたま市北区宮原町4-134-24

電話番号:048-652-1182

*監修者

関口デンタルオフィス

院長 関口 亮

経歴

・2008年 日本大学歯学部卒業
日本大学歯学部臨床研修部入局

・2009年 日本大学歯学部補綴学第一講座入局
専修医
顎関節症科兼任

・2014年 同医局退局
関口デンタルオフィス開院

所属学会

日本補綴歯科学会

日本口腔インプラント学会

*スタディークラブ

JSCT(Jiads Study Club Tokyo)

CIDアクティブメンバー(Center of Implant Dentistry)

 

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