インプラントとブリッジの選び方を徹底解説! 治療後の生活はどう変わる?
- 2025年2月28日
- インプラント
目次
1. インプラントとブリッジの基本を知ろう
① インプラントとブリッジの構造と仕組み
インプラントは、歯を失った部分の顎の骨に人工歯根(インプラント体)を埋め込み、その上に人工の歯を装着する治療法です。インプラント体はチタン製で、顎の骨としっかり結合するため、天然歯に近い安定感を得ることができます。一方、ブリッジは、失った歯の両隣の健康な歯を支えにして、人工歯を固定する方法です。歯の欠損部分に橋を架けるように装着することから「ブリッジ」と呼ばれています。
- ・インプラントは独立した人工歯として機能するため、隣の歯に影響を与えない
- ・ブリッジは両隣の歯を削って土台にする必要があり、健康な歯にも負担がかかる
- ・どちらの治療法を選択するかは、口腔内の状況や将来的な健康を考慮して決める必要がある
② それぞれの治療方法の流れ
インプラントの治療は、手術によって人工歯根を埋め込む手順を含むため、比較的長い期間が必要になります。一般的な治療の流れとしては、以下のステップが含まれます。
- ・初診・診断(CT撮影や精密検査)
- ・インプラント埋入手術
- ・治癒期間(3〜6ヶ月間、骨と結合するのを待つ)
- ・人工歯の装着
一方、ブリッジの治療は、インプラントよりも短期間で完了するケースが多いです。一般的な手順としては、以下のようになります。
- ・初診・診断(型取り、支えの歯の確認)
- ・支えとなる歯を削る
- ・ブリッジの作製(約1〜2週間)
- ・ブリッジの装着
インプラントは治療期間が長いですが、骨と結合することでしっかりと固定され、長期的に安定した噛み心地を得ることができます。一方、ブリッジは短期間で治療を終えることができるため、早く歯を補いたい方に向いている治療法です。
③ 治療期間や費用の違い
- ・インプラント
- ・治療期間:6ヶ月以上(手術後の骨との結合期間を含む)
- ・費用:1本あたり30万円〜50万円(骨造成が必要な場合はさらに高額)
- ・適切なメンテナンスを行えば10年以上、場合によっては一生涯使用可能
- ・長期的な視点ではコストパフォーマンスに優れる
- ・ブリッジ
- ・治療期間:2〜4週間(比較的短期間で完了)
- ・費用:
- ・保険適用:1本あたり1万円〜3万円
- ・自由診療:10万円〜20万円
- ・支えの歯に負担がかかるため、むし歯や歯周病になると再治療が必要
- ・結果的に追加の費用が発生する可能性がある
2. インプラントのメリット・デメリット
① 天然歯に近い噛み心地と見た目
インプラントの最大のメリットは、天然歯に限りなく近い噛み心地と見た目です。人工歯根が顎の骨にしっかり固定されるため、食事の際もほとんど違和感がありません。また、見た目も自然で、他の歯と馴染みやすいため、審美的な観点からも優れた治療法といえます。
- ・入れ歯やブリッジと異なり、インプラントは単独で機能するため、周囲の歯に負担をかけない
- ・ブリッジのように隣接する歯を削る必要がないため、健康な歯を温存できる
- ・噛む力が直接顎の骨に伝わるため、骨が痩せるのを防ぐ効果が期待できる
- ・歯を失った部分の骨が長期間刺激を受けないと、徐々に骨の量が減少するが、インプラントを埋め込むことでこのリスクを軽減できる
② 外科手術が必要な点や治療期間の長さ
一方で、インプラントにはデメリットもあります。そのひとつが、外科手術を伴う治療であることです。インプラントを顎の骨に埋め込むための手術が必要になり、全身の健康状態や骨の量によっては適応できない場合もあります。特に、骨の密度が不足している場合には骨造成手術が必要となり、さらに治療期間が長くなる可能性があります。
- ・手術後にインプラントが顎の骨と結合するまでに数ヶ月を要するため、すぐに治療を完了させたい方には向いていない
- ・費用が高額であり、コスト面での負担を考慮する必要がある
- ・手術には感染症のリスクや術後の腫れ・痛みが伴うため、術後のケアが重要
- ・喫煙をしている方は、インプラントの成功率が低下するため、生活習慣の見直しが求められる
③ メンテナンス次第で長期間の使用が可能
インプラントは、適切なメンテナンスを行うことで、非常に長く使用することができます。定期的な歯科検診と適切なホームケアを行えば、10年以上、場合によっては一生涯使用することも可能です。ただし、メンテナンスを怠ると、インプラント周囲炎などのトラブルが発生し、最悪の場合はインプラントを失うことにもつながります。
- ・インプラント周囲炎は通常の歯周病と同様に進行するため、早期発見・早期治療が重要
- ・適切な歯磨きと歯科医院での定期検診を怠らなければ、インプラントの耐久性を最大限に維持できる
- ・定期的なプロフェッショナルクリーニング(PMTC)を受けることで、インプラントの健康を保つことが可能
3. ブリッジのメリット・デメリット
① 比較的短期間で治療が完了
ブリッジの最大のメリットは、治療期間が短いことです。インプラントのように手術を伴わず、基本的には歯を削り、型を取って人工歯を作成し、装着するという流れで進みます。通常、治療期間は2〜4週間程度とされており、すぐに歯を補いたい患者様にとっては大きな利点となります。
- ・天然歯に固定するため、装着後はしっかりと安定し、違和感なく使用できる
- ・前歯や小臼歯の欠損に対しては、自然な見た目を維持しながら機能を回復できる
- ・保険適用のブリッジを選択すれば、比較的低コストで治療を受けられる
- ・自由診療でセラミックを選べば、審美性を重視した治療も可能
② 健康な歯を削る必要がある
一方で、ブリッジの最大のデメリットのひとつが、支えとなる両隣の健康な歯を削る必要があることです。ブリッジは、隣接する歯に被せ物を装着して固定する構造のため、支えとなる歯を削って土台にしなければなりません。
- ・歯を削ることで、支えとなる歯の寿命が短くなる可能性がある
- ・削った部分がむし歯になったり、負担がかかりすぎて歯根にダメージを与えることもある
- ・支えの歯に問題が生じると、ブリッジ全体のやり直しが必要になる
- ・ブリッジの下に食べカスやプラークが溜まりやすく、むし歯や歯周病のリスクが高まる
そのため、適切な清掃方法を実践し、定期的に歯科医院でのチェックを受けることが重要になります。
③ メンテナンスと寿命の違い
ブリッジの寿命は、一般的に7〜10年程度とされています。適切なメンテナンスを行えば、それ以上使用することも可能ですが、支えとなる歯がダメになった場合には、ブリッジをやり直す必要があります。
- ・ブリッジ専用の歯間ブラシやフロスを使用し、適切なケアを行うことが推奨される
- ・ブリッジの下に汚れが溜まりやすく、丁寧なケアを怠ると支えの歯がむし歯や歯周病になるリスクが高まる
- ・保険適用の金属製ブリッジは強度が高いものの、経年劣化による変色や金属アレルギーのリスクがある
- ・セラミック製のブリッジは審美性に優れるが、強い衝撃を受けると欠ける可能性があるため、噛み合わせの調整が重要
4. どちらが向いている?選び方のポイント
① 失った歯の本数と位置で変わる選択
インプラントは一本単位での治療が可能であり、周囲の歯に影響を与えずに補うことができる点が大きなメリットです。特に、奥歯を失った場合には、しっかりと噛む力を回復できるため、食事の満足度が高まります。一方、ブリッジは基本的に両隣の歯を支えにするため、欠損が連続している場合には適している治療法ですが、支えとなる歯が健康であることが求められます。
- ・インプラントは周囲の歯を削る必要がなく、独立した人工歯として機能する
- ・ブリッジは連続した欠損がある場合に適しているが、支えとなる歯が健康であることが前提
- ・前歯の欠損には審美性が求められるため、自然な見た目を求めるならインプラントが適している
- ・セラミックを使用したブリッジも審美性に優れるが、健康な歯を削る必要がある
② 骨の状態や歯ぐきの健康状態を考慮
インプラントは顎の骨に直接埋め込むため、骨の密度や量が十分であることが重要です。もし骨が不足している場合は、骨造成手術が必要になることがあり、治療期間が長引く可能性があります。一方で、ブリッジは歯ぐきや骨の状態に左右されることが少なく、比較的広い範囲で適用できる治療法です。ただし、支えとなる歯がむし歯や歯周病にかかっている場合は、ブリッジの適用が難しくなることがあります。
- ・インプラントは骨の量が十分であることが前提条件
- ・骨が不足している場合は、骨造成手術が必要になることがある
- ・ブリッジは歯ぐきや骨の状態に影響を受けにくく、広く適用できる
- ・歯周病が進行している場合、インプラントは慎重な判断が必要
- ・まず歯周病治療を行い、歯ぐきや骨の健康を整えることが重要
③ 生活スタイルや費用面からの比較
インプラントは長期的に見れば耐久性があり、適切なメンテナンスを行えば10年以上使用できる治療法です。ただし、治療期間が長く、複数回の手術が必要になる場合があるため、忙しくて通院が難しい方には負担が大きくなることがあります。
- ・インプラントは長期間使用できるが、治療期間が長く、手術が必要
- ・ブリッジは短期間で治療が完了し、費用も比較的抑えられる
- ・ブリッジの耐久性はインプラントに比べて劣り、支えの歯が弱くなる可能性がある
- ・長期的には、インプラントの方が結果的にコストパフォーマンスが良くなる場合がある
費用面に関しては、保険適用の有無も重要なポイントです。ブリッジは保険適用になる場合があり、比較的負担が少なく済むことがあります。一方、インプラントは基本的に自由診療となるため、費用面の負担が大きくなります。しかし、インプラントの方が長期間にわたって使用できるため、最終的なコストを考えるとお得になることもあります。
- ・インプラントは自由診療が基本で、初期費用が高い
- ・ブリッジは保険適用が可能で、費用負担を抑えられる
- ・インプラントは長期的に見てコストパフォーマンスが良い場合がある
④ 食生活やメンテナンスのしやすさ
食生活を重視する場合、インプラントは天然歯に近い噛み心地を得られるため、硬いものや繊維質の食品もしっかり噛むことができます。ブリッジの場合、支えとなる歯に負担がかかるため、食事の選択肢が制限されることがあり、特に噛む力が強くかかる食べ物を避ける必要が出てくることもあります。
- ・インプラントは天然歯に近い噛み心地を得られる
- ・ブリッジは支えとなる歯に負担がかかり、食事の制限が発生することがある
- ・インプラントは硬いものや繊維質の食品もしっかり噛める
メンテナンスのしやすさも、治療法を選ぶ上で重要なポイントです。インプラントは個別の歯としてケアできるため、天然歯と同じように歯ブラシやデンタルフロスを使用できます。一方で、ブリッジは支えの歯との隙間に汚れが溜まりやすく、特別なケアが必要になるため、日々のメンテナンスが欠かせません。
- ・インプラントは個別の歯としてケアができ、歯ブラシやデンタルフロスが使用可能
- ・ブリッジは支えの歯との隙間に汚れが溜まりやすく、専用の清掃器具が必要
- ・インプラントの方がメンテナンスがしやすいが、定期的な歯科検診が必要
5. インプラントが適しているケース
① しっかりとした噛み心地を求める方
食事の楽しみは、しっかり噛めることから生まれます。インプラントは、天然歯に近い噛み心地を提供できるため、硬い食べ物でもしっかりと咀嚼することが可能です。特に、奥歯を失ってしまった場合、噛む力が大幅に低下し、消化にも影響を及ぼします。インプラントなら、人工歯根が顎の骨と結合するため、安定した咀嚼力を得ることができ、食生活の質が向上します。
- ・インプラントは天然歯に近い噛み心地を提供する
- ・奥歯を失った場合、噛む力の低下を防ぎ、消化を助ける
- ・人工歯根が骨と結合するため、安定した咀嚼が可能
- ・ブリッジと異なり、隣の歯に負担をかけずにしっかり噛める
- ・食事を楽しみたい方、好きなものを気にせず食べたい方に最適
② 隣接する歯を削りたくない方
ブリッジの治療では、欠損した歯を補うために、隣接する健康な歯を削る必要があります。しかし、健康な歯を削ることは、その歯の寿命を短くするリスクを伴います。インプラントなら、周囲の歯に影響を与えず、独立した歯として治療を行うことができます。
- ・ブリッジは隣の歯を削る必要がある
- ・健康な歯をできるだけ長く維持したい方にインプラントが適している
- ・インプラントは独立した人工歯として機能し、他の歯に影響を与えない
- ・ブリッジの支えとなる歯がむし歯や歯周病になると再治療が必要
- ・インプラントなら支えの歯がないため、周囲の歯の健康を守れる
③ 長期間の安定性を求める方
インプラントは、適切なメンテナンスを行えば10年以上、場合によっては一生涯使うことができます。そのため、将来的に何度も治療を繰り返したくない方にとっては、非常に優れた選択肢です。
- ・適切なメンテナンスを行えば、インプラントは10年以上、場合によっては一生使用可能
- ・ブリッジの平均寿命は7〜10年であり、再治療の可能性が高い
- ・インプラントは骨と結合するため、寿命が長く経済的な負担を抑えられる
- ・入れ歯と違い取り外しの手間がなく、天然歯と同じようにケアできる
- ・インプラントは骨の吸収を防ぐ効果があり、顎の骨を健康に保つ
- ・歯を失ったまま放置すると骨が痩せ、将来的にインプラント治療が難しくなる
- ・歯を失った場合は、できるだけ早くインプラント治療を検討するのが重要
6. ブリッジが適しているケース
① 手術を避けたい方
インプラントは顎の骨に人工歯根を埋め込む外科手術を伴うため、手術に対して不安がある方には負担が大きくなることがあります。特に、高血圧や糖尿病などの持病を持つ方は、インプラント手術にリスクが伴うことがあるため、ブリッジの方が安全な選択肢となる場合があります。
- ・手術が不要なため、体への負担が少ない
- ・高血圧や糖尿病などの持病がある方でも比較的安全に治療を受けられる
- ・インプラントのように長期間の治癒を待つ必要がない
- ・短期間で治療を完了できるため、すぐに歯を補いたい方に最適
② 短期間で治療を終えたい方
ブリッジの治療期間は、通常2〜4週間程度で完了するため、仕事や家庭の都合で長期的な通院が難しい方にとって非常に有効な選択肢です。特に、前歯を失った場合など、見た目の回復を急ぎたいケースでは、ブリッジの迅速な治療が大きなメリットとなります。
- ・治療期間が2〜4週間と短いため、早く機能回復できる
- ・インプラントのように骨と結合するのを待つ必要がない
- ・結婚式や大切なイベントを控えている方に適している
- ・通院回数が少ないため、忙しい方にも向いている
③ 骨の状態がインプラントに適さない場合
インプラントを成功させるには、十分な顎の骨が必要になります。しかし、長期間歯を失ったまま放置していたり、加齢や歯周病の影響で骨が痩せてしまっている場合には、インプラントを埋め込むための骨が足りず、治療が難しくなることがあります。
- ・顎の骨が不足している場合、インプラントの成功率が低くなる
- ・骨造成手術を回避し、短期間で治療を終えたい方に適している
- ・歯周病が進行している場合も、ブリッジの方が適用しやすい
- ・骨の状態に関係なく治療を行うことができる
④ コストを抑えたい方
インプラント治療は、自由診療であるため費用が高額になりがちです。一方、ブリッジは条件によっては保険が適用される場合があり、治療費を抑えられることがメリットになります。特に、一本のみの歯の欠損で、費用負担を抑えつつ機能を回復したい方にとっては、ブリッジの方が経済的な選択となることがあります。
- ・保険適用が可能な場合があり、費用を抑えられる
- ・インプラントと比較して初期費用が安価
- ・短期間で治療を終えられるため、追加の治療費が発生しにくい
- ・長期的に見れば再治療の可能性もあるが、初期費用を抑えたい方には適している
7. 治療後の生活はどう変わる?食事・ケアの違い
① インプラントは自分の歯と同じように噛める
インプラントは、人工歯根が顎の骨と結合することでしっかりと固定されるため、天然歯に近い噛み心地を得ることができます。治療後は、ほぼ自分の歯と同じように食事ができるため、噛む力がしっかり回復します。
- ・天然歯と同じように硬い食べ物も噛める
- ・ブリッジと比べて食べ物の選択肢が広がる
- ・リンゴやステーキなどもしっかり噛める
- ・食生活の質が向上し、咀嚼機能が改善
② ブリッジは周囲の歯への影響がある
ブリッジは、失った歯の両側の健康な歯を支えにする治療法であるため、支えとなる歯に負担がかかります。支えの歯がむし歯や歯周病になった場合、ブリッジ全体を交換しなければならないこともあるため、定期的なチェックが必要です。
- ・支えの歯に負担がかかるため、むし歯や歯周病に注意が必要
- ・強い力で噛むと支えの歯にダメージが蓄積する
- ・支えの歯に問題が生じると、ブリッジ全体の再治療が必要になる
- ・歯間のケアが難しく、フロスや歯間ブラシを駆使した清掃が必須
③ それぞれのメンテナンス方法
インプラントもブリッジも、長期的に快適に使い続けるためには、適切なメンテナンスが欠かせません。しかし、メンテナンス方法には違いがあるため、それぞれの特徴を理解しておくことが大切です。
インプラントのメンテナンス
- ・基本的に天然歯と同じように歯ブラシやデンタルフロスで清掃可能
- ・インプラント周囲炎を防ぐために専用のケアグッズを使用
- ・3~6か月ごとの定期検診でインプラントの状態をチェック
- ・歯科医院でのクリーニングを定期的に受けることで長期的な安定を確保
ブリッジのメンテナンス
- ・支えの歯との隙間に汚れが溜まりやすいため、丁寧なケアが必要
- ・専用のフロスや歯間ブラシを使用し、ブリッジの下の清掃を徹底
- ・食べかすが詰まりやすいため、毎日のケアが重要
- ・支えの歯がむし歯や歯周病になると、ブリッジの交換が必要になる
8. 定期メンテナンスの重要性
① インプラントもブリッジも定期検診が必須
インプラントとブリッジのどちらの治療を選んだ場合でも、定期的に歯科医院で検診を受けることが欠かせません。特にインプラントは、天然歯と同じように歯ブラシやフロスを使用して清掃できるものの、歯科医院でのクリーニングを怠ると インプラント周囲炎 のリスクが高まります。
ブリッジの場合も、支えとなる歯がむし歯や歯周病にならないように注意する必要があります。ブリッジの構造上、歯と歯の間に汚れが溜まりやすく、通常の歯磨きだけでは取り切れないプラークが蓄積することがあります。そのため、定期的に歯科医院でチェックを受け、専門的なクリーニングを受けることが大切です。
② プロフェッショナルクリーニング(PMTC)の効果
PMTC(プロフェッショナルメカニカルティースクリーニング) は、歯科医院で受ける専門的なクリーニングのことを指します。これは、普段のブラッシングでは落としきれない バイオフィルムや歯石 を除去し、口腔内を清潔に保つために非常に効果的です。
- ・インプラント:専用の器具を使い、人工歯と歯ぐきの境目を丁寧にクリーニング
- ・ブリッジ:支えの歯とブリッジの間に溜まった汚れを除去し、むし歯や歯周病を予防
- ・通常、3〜6か月ごとに受けることが推奨
- ・定期的な受診で、インプラントやブリッジを長持ちさせる
③ 予防ケアで長持ちさせるために必要なこと
インプラントやブリッジを長持ちさせるためには、定期的な歯科医院でのチェックだけでなく、自宅での予防ケアも重要です。まず、毎日のブラッシング を適切に行うことが基本です。
インプラントのケア
- ・歯と歯ぐきの境目に汚れが溜まりやすいため、柔らかい歯ブラシを使用
- ・歯ぐきを傷つけないように優しく磨く
- ・歯科医院での定期検診を欠かさない
ブリッジのケア
- ・歯間ブラシや専用のフロスを活用し、ブリッジの下に溜まる汚れをしっかり除去
- ・洗口液を併用し、口腔内の細菌を減らす
食生活で気をつけるポイント
- ・糖分の多い食べ物や飲み物の摂取を控える
- ・バランスの取れた食事を心がける
- ・水分をしっかり摂取し、口腔内の乾燥を防ぐ
これらのポイントを意識することで、インプラントやブリッジを長く快適に使用し続けることができます。
9. 費用の違いと長期的なコストパフォーマンス
① インプラントの初期費用と長期的なメリット
インプラントの治療費用は、1本あたり30万円〜50万円程度 が相場とされており、骨造成 などの追加治療が必要な場合はさらに費用がかかることもあります。この高額な初期費用がインプラントの大きなデメリットのひとつですが、その分、耐久性が高く、適切なメンテナンスを行えば 10年以上 使用できることが特徴です。
また、インプラントは独立した人工歯であるため、周囲の健康な歯に影響を与えにくく、むし歯や歯周病のリスクを軽減できます。結果として、他の歯の治療費を抑えることができ、長期的に見ると経済的な選択肢となる可能性があります。
さらに、インプラントは咀嚼能力が高いため、食事の幅が広がり、全身の健康にも良い影響を与えることが期待できます。歯を失った状態が続くと、顎の骨が痩せることがありますが、インプラントは骨の吸収を防ぐ役割を果たし、将来的な治療の負担を減らすことにもつながります。
② ブリッジの費用とメンテナンスにかかる費用
ブリッジの費用は、保険適用であれば 1本あたり約1万円〜3万円程度 と、インプラントに比べて大幅に安く抑えることができます。自由診療のブリッジ(セラミックなど)を選択した場合でも、1本あたり10万円〜20万円程度 となり、インプラントよりも初期費用が低い点がメリットです。
しかし、ブリッジは支えとなる歯に負担がかかるため、支えの歯がむし歯や歯周病になった場合、再治療が必要 になることがあります。支えの歯がダメになってしまうと、再びブリッジを作り直すか、最終的にはインプラント治療が必要になることもあります。そのため、初期費用が安くても、長期的には追加の治療費がかかる可能性 がある点を考慮する必要があります。
さらに、ブリッジの平均的な耐用年数は 7〜10年程度 とされており、定期的に交換が必要になることもあります。長期的な視点で見ると、交換や再治療のコストが積み重なり、最終的にはインプラントと同じか、それ以上の費用がかかるケースもあります。
③ トータルで見たときのコスト比較
費用をトータルで考えた場合、インプラントは初期費用が高いものの、耐久性が高いため 長期的なコストパフォーマンスが良い 治療法といえます。ブリッジは初期費用が安く、短期間で治療を終えられるため、一時的な負担を抑えたい方には適していますが、将来的な再治療のリスクを考慮する必要があります。
治療法 | 初期費用 | 耐用年数 | 長期的なコスト |
---|---|---|---|
インプラント | 30〜50万円/本 | 10年以上 | 長持ちするため、長期的にはコストパフォーマンスが良い |
ブリッジ(保険適用) | 1〜3万円/本 | 7〜10年 | 再治療が必要になるため、長期的にはコストがかさむ |
ブリッジ(自由診療) | 10〜20万円/本 | 7〜15年 | 支えの歯の状態次第で追加の治療費が発生する |
また、インプラントは適切なメンテナンスを行えば一生使い続けることも可能ですが、ブリッジは支えの歯の寿命に左右されるため、長期的な計画が必要です。歯科医師と相談しながら、自分のライフスタイルや予算に合った治療法を選ぶことが大切です。
10. 自分に合った治療法を選ぶために
① まずは歯科医に相談することが重要
インプラントかブリッジのどちらが適しているかを判断するためには、まず歯科医に相談し、自分の口腔内の状態を詳しく確認 してもらうことが重要です。歯を失った原因や現在の歯ぐきや骨の状態、咬み合わせのバランスなどを総合的に診断したうえで、最適な治療法を提案してもらうことができます。
また、患者様のライフスタイルや治療にかけられる時間、予算なども考慮する必要があります。例えば、短期間で治療を終えたい場合 はブリッジが適していることが多いですが、長期間安定した歯を求める場合 にはインプラントが適していることが多いでしょう。歯科医とのカウンセリングを通じて、自分に合った選択をすることが大切です。
② 精密検査を受けて適切な治療計画を立てる
治療法を選択する前に、レントゲンやCTスキャンを活用した精密検査 を受けることで、より正確な診断を行うことが可能になります。特にインプラントを希望する場合、顎の骨の厚みや密度 が十分であるかを確認する必要があります。もし骨が不足している場合、骨造成 が必要になることがあり、治療期間や費用に影響を与えるため、事前の確認が欠かせません。
ブリッジを希望する場合も、支えとなる歯が健康であるか どうかを診断することが大切です。支えの歯がすでにむし歯や歯周病になっている場合、ブリッジを装着しても長期的に安定しない可能性があるため、まずは歯の健康を整える治療が必要になることがあります。
歯科医と相談しながら、口腔内の状態に最適な治療計画を立てることで、将来的なトラブルを防ぎ、安心して治療を受けることができます。
③ 長く快適に使える選択をするためのポイント
インプラントとブリッジを比較したときに、それぞれの治療法がどのくらい長持ちするのか を考慮することは重要です。インプラントは適切なメンテナンスを行えば10年以上、場合によっては一生涯使用 することも可能ですが、ブリッジは7〜10年程度 で交換が必要になることが多いです。
また、治療後のケアのしやすさ も重要なポイントです。インプラントは天然歯と同じように歯ブラシやフロス を使って清掃ができるため、比較的ケアがしやすいですが、ブリッジは支えの歯と連結されているため、歯間ブラシや特別なフロス を使用する必要があります。
さらに、噛み心地や審美性 も選択のポイントになります。インプラントは骨にしっかり固定 されるため、天然歯に近い噛み心地を得ることができますが、ブリッジは支えの歯に依存するため、場合によっては噛む力が低下 することがあります。また、セラミックのブリッジを選択すれば見た目は自然 に仕上がりますが、支えの歯の状態によっては金属の支え が必要になることもあります。
④ 最適な治療法を選ぶために歯科医院で相談を!
インプラントとブリッジは、それぞれの特徴を理解し、自分の口腔環境やライフスタイルに合った治療法 を選択することが大切です。最終的な決定をする前に、歯科医と十分に相談し、長期的な視点で最適な治療法 を選びましょう。
「どちらを選べばいいのかわからない」「自分の歯の状態が気になる」 という方は、まずは歯科医院での相談をおすすめします。専門的な診断を受けることで、より納得のいく治療選択ができるはずです。
監修:関口デンタルオフィス
電話番号:048-652-1182
*監修者
関口デンタルオフィス
*経歴
・2008年 日本大学歯学部卒業
日本大学歯学部臨床研修部入局
・2009年 日本大学歯学部補綴学第一講座入局
専修医
顎関節症科兼任
・2014年 同医局退局
関口デンタルオフィス開院
*所属学会
*スタディークラブ
・CIDアクティブメンバー(Center of Implant Dentistry)