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入れ歯に限界を感じた方へ。インプラントで取り戻す“噛む力”と“食べる喜び”|さいたま市北区宮原の歯医者・歯科で審美インプラント治療|関口デンタルオフィス埼玉

入れ歯に限界を感じた方へ。インプラントで取り戻す“噛む力”と“食べる喜び”

目次

 
 

入れ歯の「ズレる」「痛い」「噛めない」…諦めていませんか?

 
 

・食事のたびに感じる不便さ、楽しめない悩み

入れ歯をお使いの方の中には、毎日の食事のたびに、小さなお悩みやストレスを感じている方も少なくないでしょう。「入れ歯と歯ぐきの間に食べ物が挟まって痛い」「噛んでいる途中で入れ歯が浮いたり、ズレたりする」「発音がしにくく、会話が気になる」…。こうした不便さが積み重なると、友人や家族との楽しい食事の時間も心から楽しめなくなってしまいます。これらの悩みは、入れ歯が歯ぐき(粘膜)で支えられているという構造的な限界から生じることが多いです。インプラント治療は、顎の骨に直接支えを求めるため、このような入れ歯特有の悩みからの解放が期待できるという違いがあります。

 

・硬いもの、粘着くものを避ける食生活になっていないか

入れ歯にしてから、無意識のうちに食べるものを選んでいませんか?例えば、おせんべいやナッツ類、ステーキのような「硬いもの」、あるいは、お餅やキャラメルのような「粘着くもの」を自然と避けてしまう…。これは、入れ歯の安定性や噛む力に限界があるため、多くの方が経験されることです。しかし、食べられるものが制限されると、食事の楽しみが減るだけでなく、栄養バランスが偏ってしまう可能性も指摘されています。入れ歯の噛む力は、自然な歯に比べて弱いと言われています。もし「もっと自由に食事を楽しみたい」とお考えなら、インプラントという選択肢が、その希望を叶えるかもしれません。

 

・「入れ歯だから仕方ない」と我慢し続ける必要はない

長年入れ歯の不便さに慣れてしまうと、「入れ歯なのだから、多少のズレや痛みは仕方がない」「もう歳だから、噛む力が弱るのは当然」と、どこかで諦めてしまっている方もいらっしゃるかもしれません。しかし、近年の歯科医療の進歩により、失った歯の機能を回復させる選択肢は入れ歯だけではありません。インプラント治療は、顎の骨に人工の歯根を固定することで、自然な歯に近い安定した噛む力と、より快適な食事を取り戻すことを目指す治療法です。入れ歯との根本的な違いを理解し、「仕方ない」と我慢し続けるのではなく、まずはご自身の悩みを歯科医師に相談してみませんか。

 
 

なぜ違う?入れ歯とインプラントの根本的な構造

 
 

・「歯ぐきで支える」入れ歯の特徴と限界

入れ歯(義歯)は、失った歯の部分を補う人工の歯と、それを支えるピンク色の床(歯ぐきに見立てた部分)から構成されます。部分入れ歯の場合は、残っている歯に金属のバネ(クラスプ)をかけて固定し、総入れ歯の場合は、主に歯ぐきの粘膜に吸着させて支えます。この「歯ぐき(粘膜)で支える」という構造が入れ歯の最大の特徴であり、同時に限界でもあります。粘膜は骨に比べて柔らかく、食事の際に噛む力が加わると、入れ歯がわずかに沈み込んだり、ズレたりします。これが「痛い」「しっかり噛めない」「食べ物が挟まる」といった不快感の主な原因です。インプラントとの大きな違いはこの支持構造にあります。

 

・「骨で支える」インプラントの仕組みと安定性

一方、インプラント治療は、入れ歯とは全く異なるアプローチをとります。失った歯があった場所の顎の骨に、チタン製の人工歯根(インプラント体)を外科的に埋め込みます。チタンは骨と非常に親和性が高く、治癒期間を経ると骨と直接結合します(オッセオインテグレーション)。この「骨で直接支える」という仕組みが、インプラントの最大の特徴です。骨にしっかりと固定されるため、入れ歯のように食事中にズレたり浮いたりすることがありません。これにより、天然の歯に近い安定した噛む力を取り戻すことが期待できます。入れ歯との根本的な違いはこの「固定源」であり、高い安定性がもたらす快適さが大きなメリットです。

 

・それぞれのメリット・デメリットを正しく理解する

入れ歯とインプラント、どちらが一方的に優れているというわけではなく、それぞれにメリットとデメリットがあります。入れ歯のメリットは、外科手術が不要であること、比較的短期間で作製でき、費用もインプラントに比べて抑えられる傾向にある点です。デメリットは、前述の通り安定性に欠け、「ズレる」「痛い」「噛む力が弱い」といった食事の際の不快感や、支えとなる歯や歯ぐきへの負担です。一方、インプラントのメリットは、骨に固定されるため安定性が高く、自然な歯に近い噛む力と見た目を回復できること、周囲の歯に負担をかけない点です。デメリットは、外科手術が必要であること、治療期間が比較的長いこと、保険適用外のため費用が高額になる傾向があることです。これらの違いを正しく理解し、ご自身の希望や健康状態、予算などを考慮して選択することが重要です。

 
 

「噛む力」の違いがもたらす影響:食事・栄養・骨

 
 

・天然歯に近い「噛む力」を回復できるインプラント

入れ歯をお使いの方が食事で最もストレスを感じる点の一つが、「噛む力の弱さ」です。入れ歯は歯ぐき(粘膜)で支えるため、強く噛むと痛みが出たり、ズレたりしやすく、自然な歯(天然歯)の噛む力の20〜30%程度しか回復できないとも言われています。一方、インプラントは顎の骨に直接固定されるため、骨を通じてしっかりと噛む力を伝えることができます。この構造的な違いにより、インプラントは天然歯に近い(あるいは同等の)噛む力を取り戻すことが期待できます。これにより、入れ歯では諦めていたステーキのようなお肉や、リンゴの丸かじり、ナッツ類など、様々な食事を再び楽しめるようになる可能性があります。

 

・入れ歯では難しかった「しっかり噛む」ことの重要性(消化・栄養吸収)

「しっかり噛む」という行為(咀嚼)は、単に食べ物を細かくするだけでなく、消化吸収の第一段階として非常に重要です。よく噛むことで唾液の分泌が促され、唾液に含まれる消化酵素(アミラーゼなど)がデンプンの分解を助けます。また、食物が細かくされることで、胃腸での消化液の作用を受けやすくなり、栄養素の吸収効率が高まります。しかし、入れ歯では噛む力が弱いため、咀嚼が不十分になりがちです。十分に噛み砕かれないまま食べ物を飲み込むと、胃腸に負担がかかり、消化不良や栄養吸収の効率低下につながる可能性があります。インプラント治療によって、入れ歯との違いである「しっかり噛める」機能を取り戻すことは、食事の満足度だけでなく、全身の健康維持にも貢献すると考えられます。

 

・噛む刺激が顎の骨を守る(骨吸収抑制の可能性)

自然な歯がある場合、「噛む」という刺激は歯の根を通じて顎の骨(歯槽骨)に伝わり、骨の健康を維持する上で重要な役割を果たしています。しかし、歯を失い入れ歯になると、歯ぐきの上から押さえる力は加わりますが、骨への直接的な刺激は失われます。骨は刺激がないと徐々に痩せて(吸収して)いく性質があるため、長期間入れ歯を使用していると、顎の骨が薄くなったり低くなったりする傾向があります。インプラント治療の大きなメリットの一つは、人工歯根が顎の骨に直接埋め込まれるため、「噛む」刺激が骨に伝わることです。この構造的な違いにより、インプラントは骨の吸収を抑制し、顎の骨の健康を維持する助けとなる可能性が期待されています。これは、入れ歯にはないインプラント特有の利点と言えます。

 
 

入れ歯を使っていた期間が長くても、インプラントは可能?

 
 

・長年の入れ歯使用で「顎の骨」が痩せている可能性

長期間入れ歯を使用されている方がインプラントへの切り替えを検討される際、まず考慮しなければならないのが「顎の骨(歯槽骨)の状態」です。入れ歯は歯ぐき(粘膜)で噛む力を支えるため、自然な歯のように骨に直接刺激が伝わりません。骨は適切な刺激がないと徐々に痩せて(吸収して)いく性質があるため、長年の入れ歯使用によって、土台となる顎の骨が薄くなったり低くなったりしている可能性が考えられます。これは、インプラント治療の土台となる骨の量が不足している状態を意味します。この骨の吸収の程度が、入れ歯からインプラントへの切り替えが可能かどうか、また治療がどの程度複雑になるかに大きく違いを生じさせます。

 

・骨が不足していても諦めないで。「骨造成」という選択肢

長年の入れ歯使用で顎の骨が痩せてしまっている場合でも、「もうインプラントは無理だ」と諦める必要はありません。不足した骨の量を補うための「骨造成(こつぞうせい)」という治療法があります。これは、インプラントを埋め込むのに十分な骨の厚みや高さがない場合に、ご自身の骨(自家骨)や骨補填材、特殊な膜などを用いて、骨の再生を促す処置です。代表的な方法として、骨の幅や高さを増やす「GBR法」や、上の奥歯の骨が薄い場合に用いられる「サイナスリフト」「ソケットリフト」などがあります。これらの骨造成術を併用することで、入れ歯を使っていた期間が長く骨量が減っていても、インプラント治療が可能になるケースは多くあります。まずはご自身の骨の状態を正確に知ることが重要です。

 

・精密検査(CT検査)でわかる、インプラントの実現性

入れ歯からインプラントへの切り替えが可能かどうか、また骨造成が必要かどうかを正確に判断するために不可欠なのが、「歯科用CT検査」などの精密検査です。CT検査では、従来のレントゲンでは二次元(平面的)でしか見えなかった顎の骨の状態を、三次元(立体的)で詳細に把握することができます。これにより、インプラントを埋め込む場所の骨の「高さ」「幅」「密度(硬さ)」をミリ単位で正確に測定できます。さらに、骨の中を通る太い神経や血管の位置、上顎洞(副鼻腔)までの距離なども立体的に確認できるため、手術の安全性を高める上で非常に重要です。このCT検査の結果に基づいて、インプラント治療の実現性、骨造成の必要性や術式、そして治療計画全体を具体的に立案します。違いを理解し不安を解消するためにも、精密検査は欠かせません。

 
 

入れ歯からインプラントへ。切り替えを考え始めたら?

 
 

・まずは歯科医師に「切り替えたい」という希望を明確に伝える

入れ歯の不便さに悩み、「インプラントに切り替えたい」と考え始めたら、その第一歩は、そのお気持ちを率直に歯科医師に伝えることです。「インプラントについて詳しく知りたい」「自分はインプラントにできる可能性があるか」など、具体的な言葉でご希望を伝えていただくことで、歯科医師は患者さんのゴールを理解し、適切な情報提供や検査計画を立てることができます。入れ歯とインプラントの根本的な違いを理解するためにも、この最初のコミュニケーションが非常に重要です。漠然とした不安だけでなく、前向きな希望を伝えることが、解決へのスタートラインとなります。

 

・現在の入れ歯の具体的な悩み、インプラントへの期待

歯科医師に相談する際には、「なぜインプラントに切り替えたいのか」の背景となる、現在の入れ歯に対する具体的なお悩みを詳しくお聞かせください。「食事中に入れ歯がズレて噛む力が入らない」「硬いものが食べられない」「バネが見えるのが気になる」「話している時に外れそうで不安」など、日常で感じている不便さやストレスを具体的に伝えることが大切です。同時に、インプラント治療によって「どのような状態になりたいか」(例:りんごを丸かじりしたい、食事を気にせず楽しみたい、見た目を自然にしたい)という期待も明確に伝えていただくと、治療計画を立てる上で重要な情報となります。入れ歯との違いを踏まえた、具体的な目標設定につながります。

 

・カウンセリングと精密検査でわかる「あなたの場合」の治療計画

インプラントへの切り替えをご希望の場合、まずは詳細なカウンセリングを行い、お悩みやご希望を伺います。その後、お口の中の状態を把握するための精密検査(レントゲン撮影、歯科用CT撮影、お口の型取りなど)を行います。特にCT検査は、インプラントを埋め込む顎の骨の量(高さ・幅)や質、神経・血管の位置などを三次元的に正確に把握するために不可欠です。長年入れ歯を使用していた場合、骨が痩せている可能性も考慮します。これらの検査結果に基づき、「インプラント治療が可能か」「骨造成(骨を増やす処置)が必要か」「治療期間や費用の概算」など、「あなたの場合」の具体的な治療計画をご提案します。入れ歯との違いやメリット・デメリットを改めてご説明し、納得いただいた上で治療に進みます。

 
 

インプラントへの切り替え、よくある疑問(FAQ)

 
 

・Q.入れ歯を使っていた歯ぐきでも手術は可能ですか?

A.はい、多くの場合可能です。ただし、入れ歯を長期間使用されていた場合、歯ぐきの状態(炎症の有無など)だけでなく、その下にある顎の骨が痩せている(吸収している)可能性があります。インプラントは骨に支えられるため、骨の量が重要になります。インプラント手術の前には、必ず精密検査(特に歯科用CT撮影)を行い、骨の量や質を正確に診断します。もし骨量が不足している場合でも、「骨造成」という骨を増やす処置を併用することでインプラント治療が可能になるケースも多くあります。また、歯ぐきに炎症がある場合は、手術前に適切な歯周治療を行い、健康な状態に整える必要があります。まずは入れ歯との違いをご説明し、現在のお口の状態を拝見させてください。

 

・Q.手術や痛みは?入れ歯より大変ですか?

A.インプラント治療には外科手術が伴いますので、「大変そう」「痛そう」とご不安に思われるのは当然です。手術中は局所麻酔をしっかり行いますので、痛みを感じることはほとんどありません。手術後の痛みや腫れは個人差がありますが、処方される鎮痛剤でコントロールできる範囲であることが一般的です。入れ歯の作製には外科手術は不要ですので、その点ではインプラント手術の方が一時的なご負担は大きいと言えます。しかし、入れ歯が合わないことによる日々の痛みや食事の不便さといった「慢性的な大変さ」からは解放される可能性があります。痛みの感じ方や「大変さ」の尺度は異なります。手術への不安が強い方には、静脈内鎮静法などの選択肢もありますので、ご相談ください。

 

・Q.費用はどれくらい?入れ歯との違いは?

A.インプラント治療は、原則として健康保険が適用されない自費診療となります。一方、入れ歯は保険適用の範囲内で作製することも可能です(自費の高品質な入れ歯もあります)。これが費用面での大きな違いです。インプラントの費用は、治療する本数、使用する材料の種類、骨造成(骨を増やす処置)の有無、そして歯科医院によって異なります。一般的に、1本あたり数十万円単位の費用がかかるため、入れ歯に比べると初期費用は高額になります。しかし、インプラントは適切にメンテナンスを行えば、長期的に機能することが期待でき、何度も作り直す必要のある入れ歯と比較した場合、長期的な視点でのコストパフォーマンスも考慮に入れる必要があります。治療開始前に、ご自身のケースでの総額のお見積もりを必ずご確認ください。

 

・Q.治療期間は?その間、食事はどうする?

A.インプラントの治療期間は、骨の状態などによりますが、一般的に数ヶ月単位となります。手術後、インプラント(人工歯根)と顎の骨がしっかり結合するのを待つ期間(治癒期間)が必要で、通常3〜6ヶ月程度かかります。骨造成(骨を増やす処置)が必要な場合は、さらに数ヶ月長くなることがあります。この期間中は、最終的な歯が入るまで「仮歯」や「仮の入れ歯」を使用しますので、歯がない状態で過ごすことはありません。食事に関しては、手術直後は傷口に負担をかけないよう、柔らかいものを中心にしていただきます。治癒期間中も、インプラント部に過度な噛む力がかからないよう、硬いものなどを避けていただく必要があります。入れ歯作製に比べて期間が長いという違いはありますが、歯科医師が段階に応じて具体的な注意点をご説明します。

 
 

インプラント治療後のメンテナンス:長期的な成功の鍵

 
 

・なぜインプラントにも手入れが必要なのか(インプラント周囲炎のリスク)

インプラントは人工物なので虫歯にはなりませんが、お手入れが不要というわけではありません。インプラントの周りの歯ぐきや骨は、ご自身の組織であり、ケアを怠ると歯周病に似た「インプラント周囲炎」という病気になるリスクがあります。これは、インプラントと歯ぐきの境目にプラーク(歯垢)が溜まり、細菌が炎症を引き起こすことが原因です。進行するとインプラントを支える骨が溶け、最悪の場合インプラントが抜け落ちてしまうこともあります。入れ歯のお手入れとは違い、インプラントはご自身の歯と同じように、周囲の組織の健康を維持するための日々のケアと定期的なプロのチェックが不可欠なのです。

 

・ご自宅でのセルフケアと歯科医院での専門ケア

インプラントを長持ちさせるためには、「ご自宅でのセルフケア」と「歯科医院での専門ケア」の両輪が重要です。セルフケアでは、毎日の歯磨きでインプラントの周りを丁寧に磨き、プラークを除去します。特に、インプラントと歯ぐきの境目は汚れが溜まりやすいため、歯ブラシだけでなく、デンタルフロスや歯間ブラシ、ワンタフトブラシなどを活用し、清掃を徹底することが大切です。入れ歯の清掃とは違い、歯ぐきへのアプローチが中心です。しかし、セルフケアだけでは落としきれない汚れ(バイオフィルムや歯石)も存在します。そのため、定期的に歯科医院を受診し、専門的な機器を用いたクリーニング(PMTC)で、インプラント周囲を徹底的に清掃・管理する必要があります。

 

・定期検診がインプラントの寿命を延ばす

インプラント治療後は、自覚症状がなくても定期的に歯科医院で検診を受けることが、インプラントの寿命を延ばす上で極めて重要です。定期検診では、(1)インプラント周囲の歯ぐきの状態(炎症や出血の有無)のチェック、(2)レントゲン撮影による骨の状態の確認、(3)インプラント本体や上部構造(被せ物)の緩み・破損のチェック、(4)全体の噛み合わせ(噛む力のバランス)の確認、そして(5)専門的なクリーニングを行います。インプラント周囲炎は初期段階では自覚症状がほとんどなく進行するため、定期検診での早期発見・早期対応が不可欠です。入れ歯の調整とは違い、インプラントの検診は周囲組織の健康維持が目的です。これにより、快適な食事を楽しめる期間を長く保つことにつながります。

 
 

再び「自分の歯」のように。食事の喜びを取り戻すために

 
 

・インプラントで変わる「食」の選択肢と「味覚」

入れ歯では噛む力が弱く、硬いものや粘着くものを無意識に避けてしまう方が多くいらっしゃいます。しかし、インプラントは顎の骨にしっかりと固定されるため、天然歯に近い噛む力を取り戻すことが期待できます。この違いにより、これまで諦めていたステーキやりんご、ナッツ類など、様々な食材を使った食事を再び楽しめるようになり、「食」の選択肢が大きく広がります。また、特に上顎の総入れ歯は口蓋(上あごの粘膜)を広く覆ってしまうため、食べ物の温度や食感、繊細な風味が感じにくくなるというデメリットがありました。インプラント治療(特に固定式のもの)では口蓋を覆う必要がないため、食事本来の「味覚」を自然に感じられるようになり、食べる喜びをより深く味わうことができます。

 

・人前での食事や会話への自信を取り戻す

入れ歯をお使いの方が人前で食事や会話をする際、「ズレないか」「外れないか」「発音しにくくないか」といった不安が常につきまとうことがあります。大きく口を開けて笑ったり、硬いものを食べたりするのを無意識にためらってしまう方も少なくありません。インプラントは顎の骨に直接固定されているため、入れ歯のようにズレたりガタついたりする心配がほとんどありません。この安定性の違いが、精神的な安心感に繋がります。人目を気にせず、友人や家族との食事や会話を心から楽しめるようになることで、外出や旅行、社交の場への積極性が増し、日々の生活に自信を取り戻すきっかけとなるでしょう。

 

・食べる喜びが、全身の健康と活力につながる

「食べること」は、私たちの生命維持に必要な栄養摂取であると同時に、人生を豊かにする大きな喜びです。入れ歯では噛む力の制限から食事の内容が偏りがちになったり、食べる楽しみが半減したりすることがあります。インプラント治療によって、再び様々な食材をしっかりと自分の歯のように噛めるようになると、食事の選択肢が広がり、食べる喜びが格段に向上します。この精神的な満足感は、QOL(生活の質)を高める上で非常に重要です。さらに、多様な食材をしっかり噛んで効率よく栄養を吸収することは、全身の健康維持や活力にも繋がります。入れ歯との大きな違いは、食事の喜びを取り戻すことを通じて、心と体の両面から健康長寿をサポートできる点にあると言えるでしょう。

 
 

歯科医院選びのポイント:インプラント治療を任せるために

 
 

・精密な診断・治療に必要な設備(CT、手術室など)

インプラント治療は外科手術を伴うため、安全かつ正確に行うためには、それを支える設備が不可欠です。特に重要なのが「歯科用CT」です。インプラントを埋め込む顎の骨の厚みや高さ、密度、そして内部を通る神経や血管の位置を三次元的に詳細に把握できるため、手術計画の精度と安全性を飛躍的に高めます。従来のレントゲンだけでは得られない情報が多く、CT撮影はインプラント治療における標準的な検査と言えます。入れ歯からの切り替えなど、骨の状態に不安がある場合は特に重要です。また、手術を行う環境として、衛生管理が徹底された「専用の手術室」や、より精密な処置を可能にする「マイクロスコープ(歯科用顕微鏡)」などの設備が整っているかも、医院選びの一つの基準となります。これらの設備は、治療の成功率を高め、リスクを低減するために役立ちます。

 

・担当医の経験・実績と、治療方針の説明

インプラント治療は、どの歯科医師でも同じように行えるわけではなく、高度な専門知識と技術、そして豊富な経験が求められます。担当する歯科医師が、インプラントに関する十分な研修を受け、多くの症例を手がけてきた実績があるかを確認することは、安心して治療を任せる上で非常に重要です。所属学会(日本口腔インプラント学会など)の専門医資格なども、一つの目安となるでしょう。また、治療前のカウンセリングにおいて、患者さんの悩み(入れ歯での食事の不便さなど)に耳を傾け、インプラント治療のメリットだけでなく、リスクや他の治療法(入れ歯やブリッジ)との違い、治療期間、費用などを、専門用語を避け分かりやすく説明してくれるかも大切なポイントです。ご自身のケースにおける具体的な治療方針について、納得いくまで質問でき、信頼関係を築ける医師を選びましょう。

 

・治療後の長期的なメンテナンス体制の有無

インプラント治療は、人工の歯が入ったら終わりではありません。そのインプラントが長期的に安定して機能し、快適な食事や噛む力を維持するためには、治療後の「定期的なメンテナンス」が不可欠です。インプラント自体は虫歯になりませんが、周囲の歯ぐきや骨は「インプラント周囲炎」という歯周病に似た病気になるリスクがあります。これを予防し、早期発見・早期対応するためには、ご自宅での丁寧なセルフケアに加え、歯科医院での専門的なクリーニングや、噛み合わせのチェック、骨の状態の確認などが欠かせません。入れ歯のお手入れとは違い、専門家による継続的な管理が必要です。治療後のメンテナンスプログラムがしっかり確立されており、長期的に患者さんのお口の健康をサポートしてくれる体制が整っている歯科医院を選ぶことが、インプラントを長持ちさせるための重要なポイントです。

 
 

噛む喜びを、もう一度。インプラントという新たな選択肢

 
 

・入れ歯の限界を感じたら、相談するタイミング

毎日の食事で硬いものが噛みにくい、入れ歯がズレて痛い、味が分かりにくい…。「入れ歯だから仕方ない」と感じつつも、こうした「限界」を感じ始めた時が、インプラントについて考え始める良いタイミングかもしれません。入れ歯の不便さは、単に噛む力の問題だけでなく、食事の楽しみや栄養摂取、日々の会話にも影響します。インプラントは、入れ歯とは根本的に違い、顎の骨に直接固定するため、こうした限界を克服できる可能性があります。まずは「限界を感じている」というご自身の状況を、歯科医師に相談してみませんか。

 

・機能性と審美性の回復を目指す治療

インプラント治療は、単に失った歯を補うだけでなく、「機能性(しっかり噛めること)」と「審美性(見た目の自然さ)」の両方を回復させることを目指す治療法です。入れ歯では、構造上、噛む力の回復には限界があり、またバネが見えたり、ズレたりすることで見た目に不自然さが出ることがありました。インプラントは、顎の骨に人工歯根を固定し、その上に天然歯に近い見た目の歯(セラミックなど)を装着するため、ご自身の歯のようにしっかり噛め、食事を楽しむことができます。この機能性と審美性の両立が、入れ歯との大きな違いであり、インプラントが選ばれる理由の一つです。

 

・まずは一歩踏み出し、専門家の意見を聞くことから

「入れ歯からインプラントへ」と考えても、費用や手術への不安、ご自身の状態に適しているのかなど、疑問は尽きないことでしょう。しかし、大切なのは一人で悩まず、まずは専門家である歯科医師の意見を聞いてみることです。相談したからといって、すぐに治療を決めなければならないわけではありません。現在の入れ歯への不満や、インプラントに期待することをお話しいただき、精密検査(CT検査など)を通じて、ご自身の顎の骨の状態や、治療の実現性、入れ歯との違いやリスクについて正確な情報を得ることが第一歩です。しっかり噛む力を取り戻し、食事を楽しむ未来のために、まずは相談という一歩を踏み出してみませんか。

 
 
 

監修:関口デンタルオフィス

住所:埼玉県さいたま市北区宮原町4-134-24

電話番号:048-652-1182

*監修者

関口デンタルオフィス

院長 関口 亮

経歴

・2008年 日本大学歯学部卒業
日本大学歯学部臨床研修部入局

・2009年 日本大学歯学部補綴学第一講座入局
専修医
顎関節症科兼任

・2014年 同医局退局
関口デンタルオフィス開院

所属学会

日本補綴歯科学会

日本口腔インプラント学会

*スタディークラブ

JSCT(Jiads Study Club Tokyo)

CIDアクティブメンバー(Center of Implant Dentistry)

 

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