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インプラントが怖い理由の正体。痛み・失敗・費用への不安を歯科医師が一つずつ解消|さいたま市北区宮原の歯医者・歯科で審美インプラント治療|関口デンタルオフィス埼玉

インプラントが怖い理由の正体。痛み・失敗・費用への不安を歯科医師が一つずつ解消

目次

 
 

インプラントが怖いと感じるのは自然なこと──まずは不安を整理する

 
 

「痛み」「失敗」「費用」──多くの人が抱える3つの不安

インプラント治療を検討する多くの方が最初に感じるのは、「痛そう」「失敗が怖い」「高額ではないか」という3つの不安です。手術という言葉から「骨にドリルを入れる痛み」を想像してしまう方もいますが、実際には局所麻酔を使用するため、治療中に強い痛みを感じることはほとんどありません。また、「失敗が怖い」という不安の多くは、治療内容を正確に理解できていないことが原因です。さらに、費用面についても、長期的な視点で見るとインプラントは他の治療法よりも持続性が高く、結果的に経済的負担を軽減できるケースもあります。正しい知識を得ることが、不安を減らす第一歩となります。

 

インターネット情報が不安を増幅させる理由

検索すれば膨大な情報が見つかる一方で、インプラントに関するネット上の情報には、誤解や誇張、個人の体験談に基づく偏りも多く含まれています。特に「失敗例」や「痛みの体験談」など、強い印象を与える内容ほど目に留まりやすく、不安を大きくする傾向があります。しかし、歯科治療は患者一人ひとりの骨の状態や健康状態によって異なり、他人の経験がそのまま自分に当てはまるわけではありません。信頼できるのは、歯科医師が提供する客観的で医学的根拠に基づいた情報です。不確かな情報に惑わされず、実際に専門家の説明を聞くことで、不安の多くは解消されていきます。

 

不安の裏にある「知らないことへの恐れ」

「怖い」と感じる根本的な理由の多くは、治療の内容や流れを十分に理解できていないことにあります。人は“見えないもの”や“分からないこと”に強い不安を感じる傾向があり、インプラント治療も同様です。どのように骨に人工歯根を埋めるのか、どんな検査で安全性を確認しているのか、術後どのようなケアが行われるのか──これらを知ることで、不安は次第に「理解」に変わります。また、歯科医師に自分の不安を率直に伝えることで、痛みへの配慮や治療計画の見通しなど、より安心できる環境を整えることも可能です。知識と対話によって、恐れを安心に変えることができます。

 
 

インプラントの基本を知る──怖さを減らす第一歩

 
 

インプラント治療の流れと仕組みを理解する

インプラント治療とは、失った歯の根の代わりに「人工歯根(チタン製のネジ)」をあごの骨に埋め込み、その上に人工の歯を装着して、自然な噛み心地と見た目を取り戻す治療です。治療の流れは、まずCT撮影や口腔内検査などで骨の厚みや神経・血管の位置を正確に把握し、治療計画を立てます。その後、局所麻酔を行いインプラントを埋入。数か月間かけて骨と人工歯根が結合(オッセオインテグレーション)するのを待ちます。最終的にアバットメントと人工歯を装着して完成です。手術と聞くと「怖い」「痛そう」と感じる方もいますが、実際には局所麻酔で痛みを感じにくいことが多く、日帰りで行えるケースも多くあります。流れを理解することは、不安を軽減し、治療への一歩を踏み出す大切な準備になります。

 

どんな人がインプラント治療の対象になるのか

インプラントは、あごの骨が十分にあり、全身の健康状態が安定している方に適した治療です。年齢制限は明確ではなく、骨の成長が完了する20歳前後から高齢の方まで幅広く対応できますが、糖尿病・心疾患・骨粗しょう症などの全身疾患がある場合は、治療前に主治医との連携が欠かせません。また、喫煙は血流を悪化させて骨との結合を妨げるため、禁煙が推奨されます。歯周病がある場合は、まず炎症を改善してからインプラント治療を行うのが安全です。つまり、インプラントは「誰でも受けられる治療」ではなく、事前の精密検査と的確な診断が欠かせません。自分の口腔状態を正確に把握し、治療の適応を確認することが、不安を安心に変える第一歩になります。

 

他の治療法(入れ歯・ブリッジ)との違いを整理する

歯を失った際の主な治療法には、インプラント、ブリッジ、入れ歯の3つがあります。入れ歯は外科処置を伴わず、費用も比較的抑えられますが、装着時の違和感や噛む力の低下、金属バネの見た目などの課題があります。ブリッジは固定式で違和感が少ない一方、支えとなる隣の健康な歯を削る必要があり、長期的に見るとその歯への負担が増すことがあります。インプラントは、骨に直接固定することでしっかり噛め、見た目も自然で、周囲の歯に負担をかけません。初期費用や治療期間はやや長くなりますが、適切なケアを行えば長期的な安定が期待できます。各治療法の違いを正しく理解することが、「自分にとって本当に合った治療法」を選ぶうえで大切です。

 
 

痛みへの不安を解消するために──麻酔と術後ケア

 
 

手術中の痛みはどう抑えられるのか

インプラント手術というと「痛いのでは?」と不安に感じる方が多いですが、実際には局所麻酔によって痛みをしっかり抑えた状態で行われます。虫歯治療の麻酔と同様に、針を刺すときにチクッと感じる程度で、その後は手術中に痛みを感じることはほとんどありません。麻酔が効いている間は感覚が鈍るため、「押されるような圧力」や「振動」を感じる程度です。痛みに敏感な方や強い恐怖心がある方には、静脈内鎮静法(点滴によるリラックス麻酔)を併用することもあります。これは、うとうととした状態で手術を受けられる方法で、恐怖や緊張を大きく軽減できます。歯科医師と事前に相談し、自分に合った麻酔方法を選ぶことが、安心して治療を受ける第一歩です。

 

術後の腫れ・痛みを和らげるための対策

手術後には、麻酔が切れると軽い痛みや腫れを感じることがありますが、これは身体が治ろうとする自然な反応です。痛みは通常、1〜3日ほどでピークを過ぎ、1週間前後で落ち着くことが多いです。術後には鎮痛薬や抗生物質が処方されるため、指示どおりに服用すれば痛みを大きく抑えられます。腫れが気になる場合は、手術当日の冷却が効果的で、保冷剤を清潔なタオルに包み、短時間ずつ当てましょう。また、喫煙やアルコール摂取、熱い食事は炎症を悪化させるため、控えることが大切です。口腔内を清潔に保ち、医師の指示に従えば、回復はスムーズに進みます。過度な不安を抱かず、術後のケアを丁寧に行うことが、快適な治癒への近道です。

 

「怖い」と感じる前に知っておきたい回復の目安

インプラント手術後の回復は、体調や骨の状態によって個人差がありますが、多くの場合は数日で日常生活に支障なく過ごせるようになります。一時的な腫れや違和感はあっても、時間とともに自然におさまります。骨とインプラントが結合するまでには約2〜6か月を要しますが、その間に強い痛みが続くことは通常ありません。この治癒期間中は、歯科医師が経過を確認しながら、清掃状態や噛み合わせをチェックしてくれます。不安を感じたときは、我慢せず相談することが大切です。痛みや腫れは「異常」ではなく「回復の過程」であることを理解することで、過度な心配をせずに過ごせます。正しい知識を持つことが、インプラント治療への恐怖を和らげる最も確かな方法です。

 
 

「失敗が怖い」を防ぐために知っておくべきこと

 
 

インプラントが失敗するケースとは?

インプラント治療の「失敗」とは、人工歯根が骨としっかり結合しない、もしくは結合しても長期的に安定しない状態を指します。原因には、骨の質や量が不足している場合や、歯周病菌による感染(インプラント周囲炎)が挙げられます。また、噛み合わせのバランスが崩れてインプラントに過度な力がかかることも、脱落や破損のリスクを高めます。喫煙や糖尿病、口腔清掃不良など、生活習慣も大きく影響します。これらは多くが事前の検査・治療で予防できるため、信頼できる歯科医師による診査と適切な治療計画が欠かせません。「失敗が怖い」という不安の多くは、原因を理解し、対策を知ることで軽減できます。

 

治療計画とCT診断の重要性

インプラント治療の成功率を高めるためには、治療前の精密な診断と計画立案が不可欠です。特にCT(3次元画像)を用いた診査では、骨の厚み・密度・神経や血管の位置を立体的に把握できます。これにより、埋入位置や角度を正確にシミュレーションし、安全で予測性の高い治療が可能になります。また、噛み合わせや顎関節の動きまで考慮した上で、長期的に安定した設計を行うことも大切です。歯科医師の経験だけに頼らず、客観的なデータに基づいた治療を受けることで、手術リスクの低減と治療結果の安定化が期待できます。事前の計画こそが、インプラント治療の「安心」と「成功」を支える土台です。

 

術後のメンテナンスが成功を左右する理由

インプラント治療は、手術で完結するものではなく、「その後の管理」が成功を左右します。治療後は、インプラント周囲炎の予防が最も重要です。これは、歯周病と同じように歯ぐきの炎症から骨が溶け、インプラントが抜け落ちる原因になります。定期的な歯科検診では、噛み合わせや清掃状態をチェックし、専用器具でクリーニングを行います。自宅でのケアも欠かせず、歯ブラシやフロス、インターデンタルブラシを用いた丁寧な清掃が必要です。適切なメンテナンスを行えば、10年以上にわたって良好に機能するケースもあります。手術の技術と同じくらい、術後の継続的なケアが「失敗を防ぐ最大の鍵」といえるでしょう。

 
 

「費用が高い」不安を整理──コストの内訳と考え方

 
 

治療費の構成要素を理解する

インプラントの費用は「高い」と感じる方も多いですが、その内訳を知ることで納得できることがあります。主な費用は、①手術前の検査・診断費、②インプラント体(人工歯根)・アバットメント・人工歯の材料費、③手術・技術料の3つに分かれます。使用される素材は生体親和性の高いチタンやジルコニアで、耐久性・安全性を考慮して設計されています。また、治療前のCT撮影やシミュレーションは、手術を安全に行うための不可欠な工程です。これらの工程を経て初めて「長く機能する治療」が実現します。見積もりを提示された際は、単なる総額ではなく、何に費用がかかっているのかを確認することが、納得して治療を受ける第一歩となります。

 

長期的な視点で見る“コストパフォーマンス”

インプラントは初期費用こそ高めですが、長期的なコストパフォーマンスに優れた治療法です。入れ歯やブリッジは5〜10年程度で作り替えが必要になる場合があり、そのたびに費用が発生します。一方、インプラントは適切なメンテナンスを行えば10年以上、場合によっては20年近く機能を保つことができます。さらに、周囲の歯を削らず、あごの骨に刺激を与えることで骨の吸収を防ぎ、口全体の健康維持にもつながります。単に「費用が高い」かどうかではなく、「どのくらいの期間、快適に噛める状態を保てるか」という視点で比較することが重要です。長期的な安心と機能性を考えると、結果的にインプラントは費用に見合った価値のある治療といえます。

 

安さだけで選ばないためのチェックポイント

インプラント治療を検討する際、「安さ」を重視して選ぶのは注意が必要です。費用を抑えるために検査や手術工程を簡略化したり、安価な材料を使用したりすると、感染や脱落などのトラブルリスクが高まることがあります。治療費を比較する際は、①術前検査やシミュレーションの有無、②使用するインプラントメーカーや素材、③術後の保証・メンテナンス体制を確認しましょう。また、長年の実績や歯科医師の経験も、成功率を左右する重要な要素です。「高い=良い」「安い=悪い」とは一概に言えませんが、費用だけで判断せず、治療の質と安全性を総合的に見極めることが、後悔しない選択につながります。

 
 

インプラント治療を安心して受けるための準備

 
 

カウンセリングで確認しておくべき質問項目

インプラント治療を検討する際、最初のカウンセリングでは「自分の症例に本当に適しているか」を見極めることが何よりも大切です。歯科医師の説明を一方的に聞くだけではなく、自分から積極的に質問することで、不安を解消し納得した上で治療を進められます。確認すべき内容としては、①自分の骨の厚み・硬さがインプラントに十分対応できるか、②治療の全体スケジュール(期間・回数・手術の流れ)、③使用するインプラント体や被せ物の材質、④手術時や術後の痛みや腫れへの対処法、⑤費用の詳細内訳や保証制度などです。これらを事前に把握しておくことで、後から「聞いていなかった」という不安を防げます。カウンセリングでは、専門用語を使わず丁寧に説明してくれるかどうか、そして質問に誠実に答えてくれるかどうかも、信頼できる医院を判断する大切なポイントです。

 

医院選びで重視したい「経験」と「診断力」

インプラント治療は高度な外科処置を伴うため、歯科医師の経験値と診断精度が結果に直結します。特に、CTやシミュレーションソフトを用いた三次元的な診断を行う医院では、骨の厚み・神経や血管の位置・噛み合わせのバランスまで精密に把握できます。こうした客観的なデータに基づいた治療計画は、手術中のリスク軽減と長期安定につながります。また、単に「症例数が多い」だけでなく、「どのような難症例をどれだけ安全に治療してきたか」という質の部分にも注目することが大切です。さらに、治療後の定期メンテナンス体制や衛生士との連携が整っている医院ほど、長期的な安心感があります。歯科医師の説明の明瞭さや、リスク・代替案を誠実に提示してくれる姿勢も、信頼できるクリニックを見分ける基準といえるでしょう。

 

治療前に整えておく生活習慣・全身の健康状態

安全にインプラント手術を行うには、全身の健康と口腔環境の管理が欠かせません。糖尿病や高血圧、骨粗鬆症などの持病をお持ちの方は、事前に主治医へ相談し、血糖値や血圧を安定させておくことが必要です。喫煙は血流を悪化させ、インプラントと骨が結合する「オッセオインテグレーション」の妨げになるため、手術前後は禁煙または減煙が推奨されます。また、睡眠不足や偏った食生活は回復力を低下させる要因となるため、バランスの取れた食事・十分な休養を心がけましょう。口の中では、歯周病や虫歯の治療を事前に済ませ、清潔な環境を保つことが大切です。こうした全身と口腔の準備を整えることで、手術後の腫れや痛みを抑え、治癒経過も良好に保ちやすくなります。生活習慣の改善は一見地味に見えても、安心してインプラント治療を成功へ導く大きな一歩になります。

 
 

よくある質問(FAQ)──患者さんのリアルな疑問に答える

「金属が体に合わないかも」と心配な場合

インプラント治療に使用される金属は、主にチタンまたはチタン合金です。チタンは整形外科の人工関節や骨固定具など、長年にわたり人体の中で安全に使われてきた実績がある金属で、アレルギー反応を起こしにくいのが特徴です。そのため、一般的な金属アレルギーの方でも問題なく治療を受けられるケースが多く見られます。ただし、極めてまれにチタンに対してアレルギー反応を示す方も存在します。過去に金属アレルギーを指摘されたことがある場合や、肌荒れ・湿疹の既往がある場合には、事前に皮膚科などで金属アレルギー検査(パッチテスト)を受けておくと安心です。また、金属を一切使用しない「ジルコニアインプラント」という選択肢も登場しており、審美面・アレルギー面の両方から注目されています。大切なのは、体質や既往歴を歯科医師に正確に伝え、最適な素材を一緒に選ぶことです。

 

「年齢が高いけれど大丈夫?」という疑問

インプラント治療は、「高齢だからできない」という明確な制限はありません。全身の健康状態が安定しており、顎の骨の状態が良好であれば、高齢の方でも十分にインプラント治療は可能です。むしろ、しっかり噛めるようになることで食事の楽しみが増え、栄養摂取が改善するなど、健康維持に良い影響を与える場合もあります。治療可否の判断において重要なのは年齢そのものではなく、骨の厚みや質、歯周病の有無、糖尿病・高血圧などの持病のコントロール状態です。骨量が不足している場合でも、骨造成(GBR)やサイナスリフトといった補助手術で対応できることがあります。また、全身麻酔ではなく局所麻酔で行うため、体への負担は比較的少ないのも特徴です。治療前には主治医やかかりつけ医と連携し、リスクをしっかり把握した上で、体に無理のない計画を立てることが安心につながります。

 

「治療中は仕事や日常生活に支障が出る?」

インプラント手術というと「長期の休養が必要」と考える方もいますが、実際には多くのケースで日帰り手術が可能です。局所麻酔下で行うため、入院は不要で、手術時間も通常1時間前後が目安です。術後は数日間、軽い腫れや違和感が出ることがありますが、鎮痛剤や抗生物質の服用で十分にコントロールできます。翌日からデスクワークや軽作業に復帰する方も多く、無理のない範囲で日常生活を送ることが可能です。手術後数日は、激しい運動や長時間の入浴、飲酒・喫煙は控えるよう指導されます。また、見た目や発音に配慮し、治療の進行中に仮歯を装着して日常生活に支障を出さない工夫を行うケースも少なくありません。スケジュールがタイトな方や仕事の都合がある場合は、あらかじめ治療計画を医師と共有しておくと安心です。どのタイミングで食事・会話・仕事が通常に戻るかを確認しながら進めることで、ストレスの少ない治療を実現できます。

 
 

インプラント治療のリスクを正しく理解する

 
 

炎症や骨吸収などの合併症について

インプラント治療は高い成功率を誇りますが、外科処置である以上、一定のリスクが伴います。代表的な合併症としては、術後の感染(インプラント周囲炎)や骨吸収が挙げられます。特に、歯ぐきや骨に細菌が侵入すると炎症を起こし、周囲の組織が破壊されてインプラントがぐらつく原因となることがあります。これは、歯周病と似たメカニズムで進行するため、術後のセルフケアと定期メンテナンスが不可欠です。また、骨吸収は咬み合わせの不均衡や強い咀嚼圧によって起こることがあり、適切な噛み合わせ調整で予防できます。まれに神経や副鼻腔を損傷するリスクもあるため、事前のCT撮影による立体的な診断が重要です。正確な診断と丁寧な術後ケアを行うことで、これらのリスクは大きく軽減できます。

 

喫煙・糖尿病などリスクを高める要因

インプラントの成功率を左右する大きな要因の一つが、患者さん自身の全身状態と生活習慣です。喫煙は血管を収縮させ、歯ぐきの血流や酸素供給を低下させるため、インプラントと骨が結合する「オッセオインテグレーション」を妨げる原因になります。さらに、糖尿病がある場合、血糖値のコントロールが不安定だと免疫力が低下し、感染症や炎症のリスクが上がります。このような場合でも、医科と連携して全身管理を行うことで安全な治療は可能です。また、強い歯ぎしりや食いしばり、慢性的な歯周病、口腔清掃不良などもインプラントに負担をかける要因です。これらのリスクを事前に把握し、歯科医師と共に生活習慣の改善や対策を講じることが、長期的な成功につながります。

 

医師と患者で協力してリスクを減らす方法

インプラント治療のリスクを最小限に抑えるためには、歯科医師と患者が二人三脚で治療に臨むことが欠かせません。まず、治療前に詳細なカウンセリングと検査を受け、自身の健康状態・服用薬・喫煙習慣などを正確に伝えることが大切です。医師側では、CT画像による精密診断と、骨の状態や神経位置を考慮した安全な埋入設計を行います。手術中は衛生環境を徹底し、感染予防を優先した手技が求められます。術後は、指示された通りに薬を服用し、強いうがいや喫煙・飲酒を控えることも重要です。さらに、定期的なメンテナンスに通い、噛み合わせや歯ぐきの状態をチェックしてもらうことで、早期のトラブル発見が可能になります。「治療は終わってからがスタート」という意識を持つことで、インプラントの寿命を長く保ち、安心して噛める日常を維持することができます。

 
 

将来のために知っておきたいメンテナンスの重要性

 
 

インプラントを長持ちさせるセルフケア

インプラントは「埋め込んだら終わり」の治療ではなく、長く使い続けるためには毎日のケアが欠かせません。天然歯と違い、インプラントには歯根膜がないため、一度細菌感染が起きると炎症が急速に進みやすい特徴があります。歯ブラシだけでは届かない隙間には歯間ブラシやフロスを併用し、特にインプラントと天然歯の境目を丁寧に清掃することが重要です。磨く力が強すぎると歯ぐきを傷つけることがあるため、やわらかめの歯ブラシを使いましょう。また、歯ぎしりや食いしばりがある方は、就寝時にマウスピースを装着することで過剰な力を分散できます。インプラントは清掃・咬合・生活習慣の3つのバランスを保つことで、長期間安定して機能する治療法です。

 

定期検診の内容と通院頻度

インプラント治療後の定期検診は、「治療の完成」ではなく「維持の始まり」として位置づけられます。一般的には3〜6ヶ月ごとの受診が推奨され、通院ごとに歯ぐきの健康状態や骨の吸収の有無、補綴物(かぶせ物)の緩みなどをチェックします。特に注意したいのがインプラント周囲炎で、初期はほとんど痛みがないため、プロの診査による早期発見が重要です。歯科医院では専用のチタン器具を使い、人工歯根を傷つけずにクリーニングを行います。また、噛み合わせの変化や食いしばりによる負担も定期的に確認する必要があります。これらのメンテナンスを怠ると、せっかくのインプラントが数年でトラブルを起こすリスクが高まります。定期検診は“再発防止の治療”であり、インプラントを守る有効な方法のひとつです。

 

「噛む」「話す」を快適に保つための習慣

インプラントは見た目の美しさだけでなく、噛む力や発音の自然さを回復させる治療です。しかし、その機能を長期間維持するためには、日常生活の中での小さな習慣が大きな影響を与えます。例えば、硬い食べ物を片側ばかりで噛むクセは、インプラントと天然歯の両方に負担をかける原因となります。できるだけ左右均等に咀嚼し、無理な力がかからないよう意識することが大切です。また、睡眠中の歯ぎしりはインプラントのねじれや緩みを招くため、ナイトガードの使用が有効です。さらに、舌や頬の筋肉を正しく使うことで、発音や噛み合わせの安定にもつながります。「使う・守る・点検する」この3つの循環を意識することが、インプラントを生涯にわたり快適に維持するための基本です。

 
 

まとめ──不安を正しく理解すれば「安心」に変わる

 
 

「怖い」と感じることは、正しい判断の第一歩

インプラント治療に「怖い」「不安」と感じるのは、決して特別なことではありません。むしろ、その感情は慎重に自分の体と向き合おうとする自然で健全な反応です。インプラントは外科的処置を伴うため、痛みや失敗、費用などへの不安を持つのは当然のことです。しかし、現在ではCTによる三次元診断や精密なシミュレーション、局所麻酔の技術向上などにより、手術の安全性と快適性は大きく向上しています。怖さを「避ける理由」にせず、「理解のきっかけ」として捉えることが大切です。わからないことをそのままにせず、歯科医師に質問し、正確な情報を得ることで、漠然とした不安は少しずつ和らいでいきます。恐れを抱くことは、正しい判断への第一歩なのです。

 

一人で抱え込まず、信頼できる歯科医師に相談を

不安や疑問を一人で抱え込むと、インターネットの断片的な情報や他人の体験談に振り回されやすくなります。しかし、お口の状態や骨の質、生活習慣は人それぞれ異なり、同じ治療法でも最適な方法は違います。だからこそ、気になることは信頼できる歯科医師に直接相談するのが一番の近道です。カウンセリングでは、治療の流れ、麻酔や痛みの管理、費用や期間、そして考えられるリスクについて、個々の状況に合わせて説明してもらえます。相談することで、不安が具体的な「理解」に変わり、治療への心構えが整います。焦らず、自分のペースで質問を重ね、納得できる医師と治療計画を共有することが、安心のスタートラインです。

 

自分のペースで治療を考えることが最善の選択

インプラント治療は、失った歯を補うだけでなく、「噛む」「話す」「笑う」といった生活の質を取り戻すための治療でもあります。そのため、決断を急ぐ必要はありません。治療にはインプラント以外にもブリッジや入れ歯など複数の選択肢があり、ライフスタイルや健康状態、費用の考え方によって最適な方法は変わります。重要なのは、歯科医師と丁寧に相談し、自分の希望をしっかり伝えることです。焦りや他人の意見に流されず、自分の価値観に沿って判断することで、治療への納得感が深まります。インプラントは長期的な治療だからこそ、信頼できる医師と共に一歩ずつ理解を積み重ね、自分の意思で前に進むことが、最も安心できる選択といえるでしょう。

 
 
 

監修:関口デンタルオフィス

住所:埼玉県さいたま市北区宮原町4-134-24

電話番号:048-652-1182

*監修者

関口デンタルオフィス

院長 関口 亮

経歴

・2008年 日本大学歯学部卒業
日本大学歯学部臨床研修部入局

・2009年 日本大学歯学部補綴学第一講座入局
専修医
顎関節症科兼任

・2014年 同医局退局
関口デンタルオフィス開院

所属学会

日本補綴歯科学会

日本口腔インプラント学会

*スタディークラブ

JSCT(Jiads Study Club Tokyo)

CIDアクティブメンバー(Center of Implant Dentistry)

 

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