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治療計画が複雑すぎる。骨造成、ソケットリフト、サイナスリフト…専門用語ばかりで、自分が何をされるのか正確に理解できていないのが不安。|さいたま市北区宮原の歯医者・歯科で審美インプラント治療|関口デンタルオフィス埼玉

治療計画が複雑すぎる。骨造成、ソケットリフト、サイナスリフト…専門用語ばかりで、自分が何をされるのか正確に理解できていないのが不安。

目次

 

インプラント治療における治療計画が重要な理由

・インプラント治療は「計画」が成否を分ける

インプラント治療は、機能性と見た目の美しさを両立させるための高度な医療技術です。ただし、この治療の成功率を大きく左右するのは、初期段階での「計画」です。

例えば、顎の骨が十分にない場合には骨造成が必要となるなど、患者様ごとに異なる条件を考慮した治療が求められます。これを正確に行うためには、CT検査による骨密度や形状の確認、噛み合わせの力の測定、全身疾患の有無など、さまざまな要素を精査したうえでの緻密な計画が必要です。「なんとなく」で進められる治療ではないからこそ、科学的根拠に基づいた計画が成否を分けるのです。これにより、治療の安全性と長期的な満足度が飛躍的に向上します。

 

・「未来」を考えた治療計画が健康を守る

インプラント治療は、失った歯の機能を取り戻すだけではなく、患者様の未来の健康を考慮することが重要です。短期的に噛む機能を回復させるだけでなく、10年、20年先までインプラントを安定して使えるような計画が求められます。

例えば、インプラントが隣接する歯や顎関節に与える影響、また全体的な噛み合わせなども考慮する必要があります。これらを踏まえた治療計画を実施することで、患者様が快適な生活を続けることができるのです。また、インプラント治療が患者様の他の歯の健康を損なわないようにすることも、計画段階でしっかり配慮されなければなりません。

さらには、患者様の生活スタイルや習慣も計画に反映されます。例えば、歯ぎしりや食いしばりの癖がある方には、その負担を軽減する設計が必要です。未来の健康を守るために、口腔内全体を総合的に評価し、患者様一人ひとりに寄り添った治療計画がカギを握ります。

 

・患者様への分かりやすい説明の重要性

インプラント治療における計画が詳細であっても、それが患者様に伝わらなければ、治療への不安が消えることはありません。例えば、「骨造成」「ソケットリフト」といった耳慣れない専門用語に疑問を感じても、その場で質問するのは気が引ける、という方も多いでしょう。これが原因で、治療に臨む前からストレスを抱えてしまう方も少なくありません。

このような状況に陥らないよう、患者様にとってわかりやすい説明が欠かせません。歯科医師やスタッフは、事前に使用する専門用語を分解し、可能な限り日常的な言葉に置き換えて説明することで、患者様が治療の工程を理解できるように配慮する必要があります。

また、図や模型、場合によってはデジタルシミュレーションを活用し、患者様が視覚的にも治療の全体像を把握できる資料を提供することが理想的です。これにより、「何をされるのかわからない」という漠然とした不安を取り除き、治療に対する納得感を持っていただけます。患者様と歯科医院の双方向のコミュニケーションが、信頼関係を築き、安全で安心な治療プロセスを進めるうえでの土台となります。

 

専門用語が多すぎて分かりづらい治療説明の解消法

・骨造成・ソケットリフト・サイナスリフトとは?

インプラント治療を検討している患者様が必ず耳にするのが、「骨造成」「ソケットリフト」「サイナスリフト」といった専門用語です。しかしこれらは、初めて聞く方にとって内容が分かりづらく、不安を助長してしまう場合があります。

これらの言葉を簡単に解説すると、どれもインプラントを安定させるために顎骨の状態を調整する工程を指しています。

具体的には、骨造成は顎骨が不足している場合にその部分の骨を補う処置です。ソケットリフトは、上顎後方にインプラントを埋める際に、鼻腔の底を少し持ち上げて骨を補充する手術です。一方でサイナスリフトは、骨の足りない部分を大規模に補強する方法で、ソケットリフトより骨を増やす量が多い場合に使われます。

これらの手術の適応や必要性は、患者様一人ひとりの口腔内の状態を診断した結果によって異なるとされています。

 

・専門用語を分解してシンプルに説明する

治療説明の際に患者様が不安を抱く主な原因のひとつは、「専門用語が多すぎて理解できない」ことにあります。専門用語だけを羅列する説明では、「何をされるのか」「なぜ必要なのか」といった疑問を患者様が持ったまま治療が進んでしまう恐れがあります。それを防ぐためには、簡潔で理解しやすい表現に置き換えた説明が求められます。

例えば骨造成について説明をする際には、「インプラントを安定させるために、骨の足りない部分に補強をします。」といったシンプルな言葉で解説できます。
また、「ソケットリフト」や「サイナスリフト」であれば、「インプラントを支える骨を作るために、上あごの部分を少し工夫して支えを作る手術です。」といった形で説明するのが理想的です。

患者様は医療用語を深く理解する必要はありません。適切な工夫によって、それぞれの治療工程の意味や役割をしっかり理解できるようにすることが重要です。

 

・説明不足が招く不安を解消するために

患者様が治療に対して漠然とした不安を感じることの大きな理由は、医師側の説明不足である場合が多いです。専門用語をそのまま使用し、「骨造成が必要です」「ソケットリフトを行います」と言うだけでは、患者様は「本当に大丈夫なのか」という疑念を抱かざるを得ません。

治療に対する納得感を得てもらうためには、治療工程をひとつひとつ具体的に簡単な言葉で説明し、その必要性を理解していただくことが大切です。

さらに、患者様の疑問や不安を引き出すために、質問を促す時間を設けることも重要です。「理由やプロセスは十分にご理解いただけますか?」と確認し、患者様の一つひとつの疑問に真摯に対応することで、安心感と信頼を生むことができます。

そして、患者様が「ここなら安心して任せられる」と感じられるような説明をするために、デジタルシミュレーションや模型を活用し、視覚的に理解できる工夫をすることも有効です。

 

治療開始前に患者様として押さえておきたいポイント

・治療にかかる期間を正確に理解する

インプラント治療は、患者様ごとに異なる工程を要し、その期間もさまざまです。単純にインプラントを埋め込むだけの処置であれば比較的短期間で完了しますが、骨造成やソケットリフト、サイナスリフトなどの追加施術が必要な場合、治療期間が延びることがあります。

一般的なインプラント治療では、手術後にインプラントが骨と結合するまで3~6カ月程度の待機期間を設けることが多く、これに予備処置の期間を加えると半年以上かかるケースもあります。

治療期間を正確に理解しないまま治療を始めると、「思ったより時間がかかる」といった不満や不安を抱く原因になり得ます。ですから、歯科医師に対して治療全体のスケジュールを事前に確認し、どの時期に何を行うか、その都度の治療目的や必要性をしっかり説明してもらいましょう。患者様に適切なイメージを持ってもらうことが、治療を円滑に進める第一歩です。

 

・事前の費用確認で安心の治療を

インプラント治療は、一般の歯科治療と比べて費用が高額になることがあります。そのため、治療を開始する前に費用の詳細をしっかり確認することが重要です。

特に、初回の見積もりに骨造成やサイナスリフトなどの追加施術費用が含まれていない場合があり、後から予想外の費用が発生するケースも考えられます。

費用の確認にあたっては、基本の治療費だけでなく、CT撮影や通院時の検査費用、手術後のメンテナンスにかかる費用についても事前に質問しておきましょう。また、医療費控除の対象になる場合もあるため、治療費とその範囲について詳しく説明を受けることで金銭的な負担を少しでも軽減する方法を知っておくことも大切です。

治療計画の段階で料金の透明性が保証されている歯科医院は、安心感を持って治療を任せることができます。

 

・術後のケアについても把握する

インプラント治療は手術が完了したら終わりではありません。術後のメンテナンスが、インプラントを長期間使用するために欠かせない重要なステップです。術後の定期検診やクリーニングを怠ると、インプラント周囲炎といったトラブルが発生するリスクが高まります。

メンテナンスの頻度や具体的な内容については、治療計画の段階で必ず確認しておきましょう。また、患者様自身が日常生活で注意するべきことについても把握しておく必要があります。

例えば、術後の一定期間は硬い食べ物を控える、歯磨きの際には特定の部位に注意するなどのアドバイスを受けることで、インプラントの状態を最良に保つことができます。

こうした術後ケアについて詳しく説明してくれる歯科医院であれば、治療後の安心感が格段に高まります。

 

骨造成とは?状況に応じた治療方法

・骨造成が必要なケースとは

骨造成とは、インプラントを埋め込むために必要な骨の量や質を改善する治療方法です。インプラントは顎の骨としっかり結合することで安定を保ちますが、骨が十分にない場合には、そのままでは治療を進めることができません。

骨が不足する原因としては、歯を失った状態を長期間放置したことによる骨の吸収、事故や外傷、全身疾患などがあります。

特に、上顎の奥歯の部分や歯を失ってから長期間経過している部位では骨が少なくなることが多く、骨造成を必要とするケースがよく見られます。

患者様ごとに骨密度や骨量が異なるため、治療計画の段階でCTなどの精密検査を行い、骨造成の必要性を判断します。骨造成を行うことで、インプラント治療の成功率が向上し、長期的な安定を保証することが可能となります。

 

・骨造成の種類と流れを解説

骨造成にはいくつかの方法があり、患者様の状態に応じて選択されます。代表的な方法としては、自家骨移植(患者様自身の骨を使用する方法)と人工骨移植(安全性が確保された人工材料を用いる方法)があります。さらに、骨造成を必要とする部位の広さや深さによって手術内容も変わります。

  • 小規模の骨造成:インプラントを埋め込むと同時に少量の骨を補充する場合。手術時間も比較的短く済み、患者様の負担も少ないです。
  • 大規模の骨造成(GBR法:歯槽骨再生誘導法など):骨が大幅に不足している場合、あらかじめ骨造成を行い、数カ月かけて骨を再生させる方法。手術後の待機期間が長くなりますが、インプラントの安定性を確保するために必要な処置です。

これらの方法は治療計画の段階で歯科医師が患者様の顎骨の状態を確認し、最適な選択を行います。骨造成後の経過観察やインプラントとの結合も治療成功のカギとなります。

 

・骨造成後の注意点

骨造成を行った後、患者様はいくつかの注意点を守る必要があります。手術直後は骨を形成する過程が進行しているため、歯科医師が指導する術後ケアを忠実に実施することが求められます。

例えば、大きな負担をかけないよう硬い食べ物を控えることや、口腔内を清潔に保つことが推奨されます。また、歯科医院で定期的な診察を受け、骨の状態やインプラントとの結合具合を確認することも重要です。

さらに、骨造成は術後の痛みや腫れが伴う場合がありますが、これらは通常一時的なものです。異常を感じた際には速やかに歯科医院に相談することで、トラブルを未然に防ぐことができます。

骨造成は、インプラント治療を成功させるための大事なステップですが、術後の管理を怠ると成功率に影響が出ることもあります。そのため、患者様自身が術後の注意点をしっかり把握しておくことが不可欠です。

 

ソケットリフトとサイナスリフトの違い

・ソケットリフトとは?治療法のポイント

ソケットリフトは、上顎の奥歯部分にインプラントを埋入する際に、骨が不足している場合に行われる処置のことを指します。特に、上顎の骨の厚みが限られている場合に効果的な方法で、上顎洞(副鼻腔)の底部を持ち上げる形で、骨の補填を行います。この処置は、上顎洞の粘膜を少しだけ押し上げるため、比較的小規模な手術となるのが特徴です。

具体的には、インプラントを埋めるための穴を開け、その穴から慎重に上顎洞の粘膜を持ち上げつつ、人工骨や骨補填剤を挿入します。その後、インプラントを同時に埋入することが可能であるため、治療期間を短縮できるケースもあります。

ただし、ソケットリフトは、骨の不足量が比較的小さい場合(3~5mm程度)に適応される方法であり、広範囲で骨量が不足している場合には別の処置が必要です。

ソケットリフトは患者様にとって負担が少ない手術法で、腫れや痛みも軽度で済むのが特徴です。そのため、多くの場合、日常生活に大きな支障をきたすことなく治療を進めることが可能です。

 

・サイナスリフトとは?適応条件を解説

サイナスリフトは、ソケットリフトよりも大規模な骨造成が必要な場合に適用される手術方法です。上顎奥歯部分の骨が大幅に不足している場合に用いられ、上顎洞の側面からアプローチする形で骨を増量します。特に、骨の高さが5mm未満の場合や、複数本のインプラントを並べて埋入する必要がある場合に適しています。

サイナスリフトの手術では、まず上顎洞の側面に小さな窓を作り、その窓から粘膜を慎重に持ち上げてスペースを作ります。次に、そのスペースに人工骨や骨補填材を挿入し、骨が再生するのを待つという流れになります。

骨が十分に形成されるまでには数カ月(6カ月程度)が必要とされる場合が多く、その後、インプラントの埋入手術を行います。

サイナスリフトは、骨量が極端に少ないケースでもインプラント治療を可能にする方法であり、高度な技術を要する治療法です。その分、術後の腫れや痛みはソケットリフトに比べて強い傾向がありますが、適切な管理のもとで実施される場合、非常に高い成功率が期待できる治療法です。

 

・どちらの治療が必要かを見極める方法

ソケットリフトとサイナスリフトのどちらを選択するかは、患者様の口腔内の骨量に応じて歯科医師が判断します。そのため、治療を開始する前にCTスキャンなどの詳細な検査を行い、骨密度や骨の厚みを正確に把握することが非常に重要です。

  • ソケットリフトが適している場合:
    骨が不足している範囲が限定的で、補う必要がある高さが3~5mm程度の場合。加えて、即時にインプラントを埋め込むことが可能な場合が多いです。
  • サイナスリフトが適している場合:
    骨の不足量が広範囲で大きく、高さが5mm未満の場合。骨をしっかりと再生させるため、インプラントの埋入まで時間を要するケース。

どちらの場合も、患者様にとって最適な治療法を選択するためには、歯科医師との十分な相談と納得のいく説明が欠かせません。また、患者様が自身の状態を正確に理解し、信頼して治療を任せられる歯科医院を選ぶことが大切です。

 

治療計画の段階で歯科医院に確認すべきこと

・治療のスケジュールについての説明

インプラント治療には複数のステップが必要であり、完了までに数カ月から1年ほどかかることもあります。治療スケジュールが不明瞭だと、患者様にとって心の準備が整わず、不安を感じる要因になります。そのため、治療ごとの期間や全体の治療期間を事前に説明してもらうことが重要です。

例えば、以下のような詳細を確認しておきましょう。

  • 治療全体が完了するまでの目安期間
  • 骨造成や他の補助的治療が必要な場合の追加期間
  • 一回の治療にかかる時間と通院頻度

さらに、途中でスケジュールが変更になる可能性についても確認しておくと安心です。術後の経過次第で治療が延期されることがありますが、その際の対応まで説明を受けておくことで、不測の事態にも心の準備ができます。

 

・使用するインプラントの種類や特徴

インプラント治療では、使用するインプラントの種類やメーカーによって特徴や価格、耐久性が異なります。歯科医院によって採用しているメーカーもさまざまなので、どのインプラントを使用するのか事前に説明を受けておきましょう。

患者様が確認すべきポイントの例は、以下の通りです。

  • インプラントメーカーや種類の特徴(耐久性、信頼性、実績など)
  • 使用する材料の安全性
  • インプラントの保証内容

自分の口腔内の状態や生活スタイルに合ったインプラントを使用することが重要です。また、「なぜその種類のインプラントが選ばれるのか」を丁寧に説明してもらうことで、治療に対する納得と安心感が生まれます。

高品質なインプラントを取り扱っている歯科医院ほど、使用する製品に対する詳しい説明を行う傾向があるため、チェックポイントのひとつとして考えておきましょう。

 

・トラブル時の保証やアフターフォロー

インプラント治療は高額で長期的な治療であるため、術後の保証やアフターフォローが非常に重要なポイントとなります。万が一、治療後にトラブルが発生した場合の対応が曖昧なままだと、患者様にとって大きな不安要素となるため、事前に以下の内容を確認しておきましょう。

  • トラブル発生時の保証期間や内容
  • 再治療の費用負担について
  • 保証が適用される条件や範囲

たとえば、「インプラントが結合しなかった場合や術後に炎症が生じた場合にどう対処するのか」「再手術が必要になった場合の保証範囲はどれくらいか」などを具体的に聞いておくと良いでしょう。

また、定期メンテナンスの重要性や、クリーニングを含むフォロー体制について詳細を説明してもらうことで、治療後の安心感を得ることができます。

 

治療を成功させるために患者様ができる準備

・治療前に口腔内を整える大切さ

インプラント治療は、健康な口腔内環境が必要不可欠です。歯周病や虫歯がある場合、そのまま治療を進めると術後の合併症や炎症のリスクが高くなるため、事前にこれらの問題を解決する必要があります。以下の点に注力して口腔内のコンディションを整えてください。

  • 歯周病の治療:インプラント周囲炎などのリスクを減らすため、歯周病がある場合は治療を実施します。
  • 虫歯の治療:未治療の虫歯は治療後の感染源になる可能性があるため、早期に治療することが推奨されます。
  • 歯石除去と口腔内クリーニング:口腔内を清潔に保ち、細菌の増殖を抑えるためにプロフェッショナルケアを受けることが重要です。

インプラント治療前に口腔内を整えることで、治療成功率が上がり、術後のトラブルが回避しやすくなります。歯科医師の指導に従って適切な口腔管理を行いましょう。

 

・健康状態のチェックと治療基準の確認

インプラント治療は歯科治療であると同時に、外科手術でもあります。そのため、全身の健康状態が治療成功に大きな影響を与えます。以下の項目をチェックして、治療に適した体調を整えましょう。

  • 持病の確認:糖尿病や骨粗しょう症などの慢性的な疾患がある場合、術後の骨結合や感染リスクに影響する可能性があるため、事前に歯科医師と相談する必要があります。
  • 内服薬の確認:血液を固まりづらくする薬(抗凝固薬など)を服用している場合は、手術前に適切な対応が求められます。必ず医師に服薬状況を伝えてください。
  • 喫煙習慣の見直し:タバコは治療成功率を低下させる大きな要因です。治療前に禁煙を検討することが推奨されます。

さらに、治療期間中に健康状態が急激に変化した場合も、その旨を速やかに歯科医院に伝えることで、安全でスムーズな治療が進められるようになります。

 

・メンタルと時間の余裕を確保する

インプラント治療は数カ月から1年以上の期間を要することもあり、患者様には時間だけでなく心理的な余裕も重要です。治療への不安やストレスは、治療中の負担を増加させる可能性があるため、以下の点を意識して準備してください。

  • 治療について十分に理解する:事前の説明をしっかりと受け、治療の流れや目的を理解することで、安心感を持つことができます。
  • スケジュールの調整:忙しい日々の中で、インプラント治療と通院が負担にならないように時間を確保しておくことが大切です。
  • ストレス対策:不安を軽減するため、質問がある場合は遠慮せず歯科医院に問い合わせたり、術前のリラックス方法を試してみましょう。

患者様が精神的に落ち着いた状態で治療に臨むことが、治療の成功率を高めるとともに、術後の回復をスムーズにする重要な要素となります。

 

インプラント治療後の副作用とリスク対策

・術後に起こり得る典型的な副作用

インプラント治療後は、外科手術を伴うため、ある程度の副作用が避けられない場合がありますが、これらの多くは一時的なものです。以下が代表的な副作用です。

  • 腫れと痛み:手術部周辺が腫れたり、痛みを感じたりすることがあります。通常、数日から1週間程度で軽減します。処方された痛み止めなどを適切に服用することで対処できます。
  • 出血:術後に少量の出血が見られる場合があります。ガーゼを噛むことで止血できますが、過度の出血が続く場合には歯科医院に相談してください。
  • 顎や歯周組織の違和感:術後しばらくはインプラントが馴染む過程で違和感を感じることがありますが、徐々に改善します。

これらの副作用は一般的であるものの、長期間続いたり症状が悪化する場合は異常の可能性があるため、速やかに歯科医に相談することが重要です。

 

・予防するためのセルフケアと歯科医院のサポート

術後の副作用やリスクを最小限に抑えるためには、患者様自身のセルフケアと定期的な歯科医院でのフォローアップが重要です。以下のポイントを押さえてケアを行いましょう。

  • 口腔内を清潔に保つ:術後は感染を防ぐために、適切な歯磨きやマウスウォッシュの使用を心がけることが必要です。ただし、術後数日間は手術部位に直接ブラシを当てないよう指示がされることが多いので、歯科医師の指導に従いましょう。
  • 食事の注意:術後すぐは固いものや刺激の強い食品を避け、軟らかく栄養価の高い食事を選びましょう。熱い飲み物や食べ物も腫れを悪化させる可能性があるため注意してください。
  • 歯科医院での定期検診:術後の経過やインプラントの状態を確認するため、指定されたタイミングで歯科医院を訪れましょう。場合によっては調整や追加のケアが必要になることもあります。

術後の過ごし方やセルフケアの仕方は、インプラントの安定につながり、長期的な成功を左右すると言っても過言ではありません。

 

・なにか問題が起きたときの対処法

術後に問題が発生した場合、放置することは避け、速やかに適切な対応を取ることが重要です。以下の症状が見られた場合は、すぐに歯科医師に相談するようにしてください。

  • 過度の腫れや痛み:通常の腫れや痛みが引かない、逆に悪化している場合や、強い痛みが続く場合は術後感染の可能性があります。
  • インプラントのぐらつき:インプラントが不安定に感じる場合、骨との結合が弱まっている可能性があります。早期対応が必要です。
  • 発熱や膿の排出:これらは感染の兆候であり、迅速な治療が必要です。

自己判断で市販薬を使用する、医師の指示に反した行動を取るのは避け、速やかに受診することがリスクを最小限に抑える近道となります。インプラント治療は、術後の早期対応が長期的な成功に直結する重要な要素です。

 

治療後のメンテナンスの重要性

・定期検診の役割とその頻度

インプラント治療を成功させるには、治療後の定期的な検診が欠かせません。インプラントは人工歯根であるため、“虫歯”そのものにはなりませんが、周辺組織の健康管理が必要不可欠です。これを怠ると「インプラント周囲炎」という感染症が発生するリスクが高まり、最悪の場合、インプラントの脱落につながることもあります。

定期検診では以下の内容が行われることが一般的です:

  • インプラント周囲の歯茎や骨の状態をチェック
  • 歯石やプラークの除去、クリーニング
  • 嚙み合わせの状態を確認し、必要に応じて調整

頻度については、治療後の経過やリスクに応じて異なりますが、一般的には3カ月から6カ月に1回の検診が推奨されます。適切な検診を続けることで、インプラントの寿命が延び、長期間安定して使用することが可能になります。

 

・日々のお手入れで気をつけるべきポイント

治療後のセルフケアは、インプラントの健康を保つための基本です。インプラントを長持ちさせるためには、以下の点に注意して日々のお手入れを行いましょう。

  • ブラッシング:インプラントを支える歯茎を傷つけないよう、柔らかめの歯ブラシを使用することがおすすめです。特にインプラントと歯茎の境目にプラークが溜まりやすいので、丁寧に磨きましょう。
  • 歯間ケア:デンタルフロスや歯間ブラシを使用してインプラント周囲の清掃を行います。インプラント専用の歯間用ブラシが推奨される場合もありますので、歯科医師に相談してください。
  • マウスウォッシュ:抗菌作用のある洗口液は、インプラント周囲の細菌の繁殖を抑える効果が期待できます。ただし、使用する商品については歯科医院の指導に従ってください。

インプラントは自然の歯よりもケアが重要になるため、日々のお手入れを怠らないことが求められます。

 

・メンテナンスを怠った場合に起こるリスク

インプラント後のメンテナンスを怠ると、短期間で様々なトラブルが発生するリスクが高まります。具体的には、以下のような問題が考えられます:

  • インプラント周囲炎:インプラントの周囲組織に炎症が生じる病気で、進行するとインプラントを支える骨が溶け、インプラントが脱落する恐れがあります。
  • 口臭の発生:プラークや歯石を放置することで細菌が増殖し、不快な口臭の原因になることがあります。
  • 噛み合わせのトラブル:定期的な調整を受けないと、インプラントに過剰な負担がかかり、破損や歯茎の痛みが引き起こされることがあります。

これらのトラブルは、定期的なメンテナンスや日常的なセルフケアを徹底することで未然に防ぐことが可能です。インプラント治療を受けたことは「スタートライン」であり、その後のケアが成功へのゴールを決めると考えましょう。

 

 

 

監修:関口デンタルオフィス

住所:埼玉県さいたま市北区宮原町4-134-24

電話番号:048-652-1182

*監修者

関口デンタルオフィス

院長 関口 亮

経歴

・2008年 日本大学歯学部卒業
日本大学歯学部臨床研修部入局

・2009年 日本大学歯学部補綴学第一講座入局
専修医
顎関節症科兼任

・2014年 同医局退局
関口デンタルオフィス開院

所属学会

日本補綴歯科学会

日本口腔インプラント学会

*スタディークラブ

JSCT(Jiads Study Club Tokyo)

CIDアクティブメンバー(Center of Implant Dentistry)

 

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