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こんにちは!院長の関口です!
先日私の所属しているグループのボスであります勝山英明先生にクローズでのご講演をしていただきました。
先生の治療技術はもちろんのこと、先を見つめるビジョンにはいつも刺激を多く受けています!
そこでその勉強会でも話があったデジタルを使用した歯科治療について今月から少しお話をしたいと思っております。
当医院でも3年前からデジタル技術を使用した治療を行っておりますが、年々その汎用性や効率・精度が向上してきており、現在ではなくてはならないものとなっております!
デジタル技術の進化により、歯科医療は大きな変革を迎えています。特に、口腔内スキャナー、CAD/CAM、3Dプリンター、AI診断技術、フェイススキャンといった革新的な技術の導入が進んでおり、より精密で迅速な治療が可能になってきました。しかし、日本の保険診療におけるデジタル歯科医療の普及は、世界的な水準と比べて遅れをとっているのが現状です。本シリーズでは、日本と世界のデジタル歯科医療の現状を比較し、その課題や今後の展望について考察していきます。
世界の歯科医療では、デジタル技術の導入が急速に進んでおり、診断・治療の精度向上や患者の負担軽減に大きく貢献しています。特に、以下の技術が歯科医療の質を向上させています。
従来の印象材を用いた型取りに代わり、短時間で精密な歯型をデジタルデータとして取得できる技術です。補綴物や矯正装置の製作精度を向上させるだけでなく、患者の不快感を軽減し、診療時間の短縮にも寄与します。
デジタルデータを基に、クラウンやブリッジ、インレーなどの補綴物を設計・製作する技術です。チェアサイドで即日補綴治療が可能となるシステムも普及しており、患者の通院回数を減らし、診療の効率化に貢献しています。
デジタルデータを活用し、補綴物、矯正用アライナー、手術用ガイド、義歯などを高精度に作製できる技術です。最新の材料技術と組み合わせることで、長期使用可能な補綴物の製作も進んでいます。
レントゲンやCTデータをAIが解析し、むし歯や歯周病、根尖病変の診断をサポートする技術です。診断精度の向上に加え、治療計画の立案にも活用され、経験の浅い歯科医師の補助ツールとしての役割も期待されています。
3Dフェイススキャナーを使用し、患者の顔全体の形状をデジタルデータとして取得する技術です。補綴物や矯正治療の設計において、咬合だけでなく顔のバランスや審美性を考慮した治療計画が可能になります。
口腔内スキャン、フェイススキャン、CT、AI診断などの技術を統合し、データをクラウド上で管理・共有するシステムです。これにより、遠隔診療の活用、治療のシミュレーション、患者説明の視覚化が進み、より患者理解の深い治療が可能になっています。
これらのデジタル技術は、世界の歯科医療において標準的に導入されつつあり、治療の精度向上と効率化に寄与しています。
一方、日本ではこれらのデジタル技術の導入が一部の先進的なクリニックや自由診療を中心に進んでいますが、保険診療の枠組みでは、依然としてアナログ技術が主流であり、デジタル技術の普及は遅れています。
日本の保険診療ではCAD/CAMクラウンが適用されていますが、使用可能な材料や適応範囲が制限されており、世界基準と比べると制約が多いのが現状です。
口腔内スキャナーを用いたデジタル印象採得は、保険診療ではまだ一般的ではなく、従来の印象材を使った方法が主流です。これは、設備投資の負担や、保険制度の枠組みが関係しています。
AIによる画像解析技術は世界的に進んでいますが、日本では保険診療のルールや法規制の影響で、実用化の進行が遅れています。
デジタル歯科医療は、より精密で効率的な治療を実現するための大きな可能性を秘めています。しかし、日本では保険制度の枠組みやコストの問題がデジタル化の障壁となっています。世界的にはすでに標準化されつつある技術が、日本では限定的にしか利用できないのが現状です。
本連載では、次回以降でさらに詳細な比較を行いながら、日本のデジタル歯科医療の課題と未来について考察していきます。
次回予告 次回は「日本の保険診療におけるデジタル技術の制約と課題」について詳しく解説していきます。
今月もお読みいただき有難うございました!