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こんにちは!院長の関口です。
今月は歯周病についてのお話をしていきます。
歯周病というと歯肉が下がる病気と思われている方が多い印象です。そのほかには、歯肉の腫れ・出血・口臭などもありますが、メインの症状は歯を支えている骨が溶けることです。
歯周病による骨の吸収は、お口の中にいるバイオフィルム細菌(歯周病菌)によって引き起こされます。バイオフィルムとは細菌の集合体をさすのですが、バイオフィルム細菌は常在菌ですのでお口の中から駆逐することはできません。
よって常に歯周病が発症するリスクを持ち合わせているということになります。
では、なぜ常にお口の中にバイオフィルム細菌がいるのにもかかわらず、健康な場合と発症・進行してしまう場合があるのでしょうか?
キーワードはmicrobial shift(直訳は微生物のシフト)です。
つまり簡単にお伝えすると、歯周病菌が活発になり、その集まりであるバイオフィルムが高い確率で病気を引き起こしやすくなるのです。
発症していないということは、歯周組織とバイオフィルムがうまく共存できている状態をさします。
microbial shiftが起こる最初のきっかけは細菌同士の栄養の渡し合いと言われています。
歯磨きがうまくできずに残ってしまった汚れが多ければ多いほど、細菌数が多く存在し、その細菌たちはお互いに栄養をお裾分けするわけです。そうすることで、お互いが元気になり病原性が高まる形になります。
そして実際に病原性が高まり、歯槽骨や歯肉に炎症が起き始めます。
炎症とは腫れたり、出血したりすることを指しますが、その出血することで血液に含まれる鉄分やタンパク質を栄養素にしてバイオフィルム細菌がより活発化していきます。
そのようなメカニズムによって歯周病が本格的に進行していくのです。
以上のようなメカニズムで進行するわけですので、まずは炎症のない歯周組織の環境に戻すことが必要です。
それにはセルフケアとプロフェッショナルクリーニングの両方が大変重要です。
歯科医院では、なるべく歯周組織を傷つけずに細菌の温床であるプラーク(歯の汚れ)を除去していきます。ただし、その場限りできれいになったとしても、お家でしっかりと歯ブラシができていなければすぐにバイオフィルム細菌が活発化していき、思うような治療の結果を得ることができません。
よって歯周病を良くするには患者様のご協力が必ず必要になります。
そして症状が落ち着いた後、再び歯周病が発症しないようにするためにセルフケアの継続と定期的なメインテナンスで取り残してしまった汚れを歯科医院で除去し、常に細菌を落ち着かせておくことが重要です。
冒頭にも申しましたとおり、歯周病は臨床的に治癒したとしても完治するわけではなく、クリーニングをサボってしまうとすぐに再発する可能性がある病気なのです。
いかがでしたでしょうか?
今月は歯周病についてのお話をしました。
少しでもお読みいただいた方の参考になれば幸いでございます。
今月もお読みいただきまして誠に有り難うございました。